暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーAP
外伝 ライダーマンG&ニュージェネレーションGライダーズ
第1話 時代の残滓達
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 ――2019年9月1日。
 東京都稲城市風田改造被験者保護施設跡。

「ここに居るのは分かってる……! 出てきなさい、ノバシェードッ!」

 かつて仮面ライダーAPと、仮面ライダー羽々斬(ハバキリ)の最終決戦が繰り広げられたこの場所に――1台のレーサーバイク「マシンGチェイサー」が駆け付けて来る。真紅に彩られたそのボディには、「G」の意匠が刻まれていた。
 そのバイクに跨っていた1人の美少女は、艶やかな黒髪を靡かせて颯爽と飛び降て来る。彼女の眼前には、文字通り「何もない」更地が広がっていた。

「……っ」

 かつて彼女――番場遥花(ばんばはるか)を含む改造被験者達を収容していた、風田改造被験者保護施設。それが存在していた頃の記憶が鮮明に甦り、遥花は独り眉を顰めている。

「……ふふ、あなたにとっても懐かしい場所でしょう? この地は」
「……! 出たな、ノバシェード! 光学迷彩でかくれんぼだなんて、『シェードの後継者』も子供っぽいことをするのね……!」

 ふと、何もかも見透かしたような声が響き渡り。遥花の前に突如、3体もの異形の怪人が現れる。
 両腕から無数の触手を伸ばしているその醜悪な姿は、10年前に初めて観測された個体と同じ、「フィロキセラ怪人」そのものであった。

「ハハァッ! 本当にノコノコと追っかけて来やがったぜ、このバカ女!」
「……愚か者め。わざわざ殺されに来るとは」

 金、銀、銅。それぞれ3色の体色を持っているフィロキセラ怪人の亜種達は、いずれも下卑た笑みを浮かべて、眼前の遥花を舐めるように見つめている。

 金色の怪人「ゴールドフィロキセラ」こと、明智天峯(あけちてんほう)
 銀色の怪人「シルバーフィロキセラ」こと、上杉蛮児(うえすぎばんじ)
 銅色の怪人「ブロンズフィロキセラ」こと、武田禍継(たけだまがつぐ)
 彼らの眼は遥花の真摯な表情を、冷酷に嘲笑っていた。

 新時代「令和」を迎え、17歳の女子高生になっていたこの当時の遥花は、確かに3年前よりもさらに女性らしい身体付きに発育している。
 桃色と白のパーカーを内側から押し上げる巨峰と、くびれた腰。絹のような黒髪に、白い柔肌と桜色の愛らしい唇。そして、男の劣情を掻き立てる巨尻。全てが「男好き」する要素に満ち溢れていた。

 彼女がいわゆる「半改造人間」であることが周知されている現在でさえ、告白やスカウトが絶えないほどの美貌とプロポーションなのだ。
 警視総監の娘にして現代の「仮面ライダー」、という身の上でなければ、強引な手段で関係を持とうとする男達の影は増える一方だったことだろう。新体操部での練習中や水泳の授業中、邪な視線に完全包囲されたことも一度や二度ではないのだから。

「未だに能力無効化の手
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ