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おぢばにおかえり
第六十八話 入学式その二十九

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「世の中って」
「だから新一君は嫌いだと嫌い過ぎるからね」
「駄目ですか」
「そう、けれど新一君って問題のある人に物凄く会ってきてるのね」
 私より二つ年齢が下なのにです。
「また凄いわね」
「これもいんねんですかね」
「そうかもね。親戚の人にもだし」
「酒乱とか働かないで偉そうに言うのとかヒステリー持ちとかいます」
「何かどの人も」
「はい、三人共大嫌いですけれど」
「それで好き嫌いが激しくなったのね」
 というか嫌いだと全否定になることです。
「そうなのね」
「そうですね、親戚にもそういうのがいて」
「外でもなのね」
「はい、そういうのと会ってきまして」
「嫌いだと徹底的になったのね」
「そうなりました、まあそういうところがあって」
 それでというのです。
「あの人もです」
「長池先輩もなのね」
「あそこで言ったんですね」
 南の礼拝堂に向かいながら西の礼拝堂を見て私に言ってきました。
「その時のあの人の中には信心も思いやりも優しさもなかったんですね」
「先輩を物凄く悪い風に言うわね」
「実際詳しくお話するまで物凄く悪い人に思ってましたし」
「今もよね」
「間違えたんですね」
「先輩も間違えるのかしら」
 今はこう思いました。
「やっぱり」
「その間違いも多少ならいいですが」
「許されない間違いなのね」
「だってかんろ台の前で言ったんですよね」
「そうなるわね」
 後ろに見える場所で言われたとのことです。
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