暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
監督と主将
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へと散っていった。
















「坂本がコントロール乱すのは珍しいね」
「やっぱりそうだよねぇ?」

スタンドから見ていた東英学園は突如制球が乱れた陽香のことを気にしていた。その中で黒髪の少女はマウンドの少女をじっと見つめ、何も話し出さない。

「疲れてきてると思う?」
「いや……そんなことはないと思うが……」

大山の問いにもどこか素っ気なく答える大河原。真剣に見える表情だが、その目からは心配しているのがよくわかるため三年生たちは首をすくめて話しかけないようにする。

「なんで瞳さんはそんなに坂本さんに入れ込んでるんですか?」
「日本代表で一緒だからですか?」

そんな中白髪の少女と茶髪の少女が問いかける。その質問に下級生は興味津々に視線を送り、三年生は苦笑いを浮かべるものとニヤニヤと笑みを浮かべるものと分かれていた。

「まあ……ちょっとな……」

言いたくなさそうなのがよくわかる反応を見せられたため下級生たちはこれ以上突っ込むことができない。しかし、そんな彼女の反応を見て後藤と笠井が白髪の少女と茶髪の少女の隣に陣取る。

「瞳ね、陽香と中学時代バッテリー組んでたんだよ」
「それでね?一緒に東英学園(うち)に行こうって誘ったら断られたんだよ!!」
「理沙!!希!!」

顔を真っ赤にして立ち上がる大河原。それに笑いながら逃げるように離れていく二人。彼女たちを追いかけようとしたが、周りからの視線に気が付いた大河原は咳払いをして元の席へと腰掛ける。

「……好きだったの?」
「お前後で説教な」
「えぇ!?」

後ろから声をかけてきた金髪の少女の問いに冷たい視線を交えて答える。和ませようとふざけた質問をした彼女だったが予想外の返しをされて悲鳴を上げていた。

「何やってんだが……」

敵情視察から外れていく仲間たちの姿を見てタメ息を漏らす大山。そんな彼女たちをよそに試合は進行していくのだった。















守備に戻った莉愛は打席に入った少女がバントの構えに入ったのを確認する。

(無難に進めてゲッツーをなくしておきたいんだろうね。そうすれば岡田さんまで回るから)

彼女が送れば次の打者はライナーでもない限りダブルプレーになることはない。そうなればここは送りバントが最善手であることは間違いない。

(送らせましょう。優愛ちゃん先輩、葉月さんお願いします)
(はいは〜い)
(オッケー)

外にバントのしやすいストレート。これを定石通りバントしてきたため優愛が捌いてアウトを奪う。これにより1アウト二、三塁となった。

(まずはアウト一つ。できればここは三振が欲しい場面だよね)
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