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麗しのヴァンパイア
第四百三十一話

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                 第四百三十一話  太陽を前にして
 カーミラは憩いの時を迎えていた、だが。
 朝日が昇り朝の九時になった、そこで彼女は使い魔達に対して話した。
「ではね」
「はい、朝日が昇りです」
「朝も終わろうとしています」
「昼に近付いています」
「それではね」
 その時間になったからだというのだ。
「もう眠るわ」
「そうされますね」
「もうそろそろ」
「もうベッドの用意は出来ています」
「お休み下さい」
「私は夜の住人」
 カーミラは微笑んでこう述べた。
「だからこそね」
「日の強い間は休まれます」
「それがご主人様です」
「太陽の光を受けても何ともないですが」
「それでもですね」
「ええ、月を愛していて」
 そうしてというのだ。
「日はね」
「ご主人様のものではない」
「その強い光もお好きでないので」
「それで、ですね」
「それが出ている間はね」
 即ち今はというのだ。
「休むわ」
「はい、そしてですね」
「日が弱まると起きられ」
「そのうえで」
「また一日をはじめるわ」
 その様にするというのだ。
「いつも通りね」
「はい、それではです」
「今日もお休み下さい」
「そうされて下さい」
「今日は浴衣で寝るわ」 
 日本のこの服を着てというのだ。
「下着は白でね」
「上下共ですね」
「それを着られて」
「そうしてですね」
「日本の趣で」
 それでというのだ。
「ゆっくりとね」
「休まれて」
「そうしてですね」
「また明日ですね」
「楽しむわ」
 こう言ってだった。
 カーミラは一旦服を脱いだ、そして白い奇麗な裸身を晒すと使い魔達がそこに下着を着せた。そのうえで浴衣も着せられベッドに入って眠った。


第四百三十一話   完


               2021・12・25
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