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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
人を愛する事とは…
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なくなっている…

「私ね………お母様に怒られちゃった………」
「え!?さっきのアルルとの事で!?」
「ううん…違うの…ウルフ…貴方の事でなの…」
「お、俺の事………!?」
全く意味の分からないウルフ…何故、自分の事でマリーが怒られるのか…

「私ね…最初はウルフの事、好きじゃなかったの…」
「それは俺だって…嫌いじゃなかったってだけで、好きになったのはジパングでだし…」
「違うの!私のは違うの…そう言うのじゃなくて…もっと酷いの…」
とうとうマリーの瞳から、大粒の雫が滴り落ちる。

「私にとって出会った頃のウルフは、性的欲求を満たす為だけの男の子だったの…」
「せ、性的…?」
とても7歳の少女が口にする言葉ではなく、ウルフの動揺は大きくなる…

「可愛らしい男の子…他の女に手を出される前に、私が童貞奪っちゃお!そんな邪な気持ちでウルフに近付き、誘惑し続けてたの!興味が無くなれば、違う男の子に乗り換えよう…そんな不埒な考えで…」
言葉が出ない…

最初から愛されてる…そう思っていたウルフには、マリーの言葉に絶句する。
「お父様には、それが最初から分かっていたの…それでお母様に怒られましたの…………ごめんなさいウルフ…こんな女、嫌いですよね…」
ただただ泣くマリー…

叱られた事では無く、ウルフへの気持ちが愚かしかった事に。
『双方が同意の上で、互いに身体だけの関係を続ける事に反対はしない…でもウルフは間違いなくマリーを心から愛してる!マリーの事を身を犠牲にしてまで守った、ウルフの気持ちを裏切るようなことは絶対に許さない!』
これがリュカの気持ちであり、それを理解するビアンカからの叱りであった。
自分の愚かさに泣く事しか出来ないマリー…


「マリー…今でも俺の事は性的に好きなだけ?」
「違うの!!今は違うの!私、ウルフが大好き…ウルフの事を愛してるの!本当に…本当なの…信じて…」
静かなウルフの問い掛けに、涙の止まらない瞳を大きく見開き答えるマリー。

「じゃぁ、途中経過なんて関係ないよ。今、相思相愛なら俺は満足だ!これから二人の愛は何よりも強固な物だと証明して行こう…リュカさんとビアンカさんよりもラブラブな事を見せつけようよ!」
ウルフはハンカチを取り出しマリーの涙を拭う…
その行為がマリーの心に愛しさとして広がる。
「マリー…愛してるよ…」
生まれて初めて…いや、2度の人生で初めて、人を愛する事を知ったマリー…

そんな二人を遠目に眺め、末永い幸せを確信し祝杯をあげる夫婦…
マリーは気付いてないが、ウルフは気付く…
そしてマリーが深く愛されている事を、強く感じるのだった。




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