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おっちょこちょいのかよちゃん
196 同体化した少年
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「フローレンス、大丈夫か?」
「いえ、私が以前、赤軍の人間を取り返されますといいます失態を犯しました時、レーニンの声が聞こえましたのです。その時、杉山さとし君の声も聞こえまして・・・。つまり、レーニンは杉山さとし君を取り込みまして、杉山さとし君の身体で動いてていますといいます事になります」
「何だと!?」
 イマヌエルにとっても信じ難い事であった。

「お前ら、また会ったな」
 その声は紛れもなく杉山さとしの声だった。
「その声は・・・、杉山君!杉山君なの!?」
「そうだよ」
 相手は否定しなかった。
「俺はこいつの身体と一体となって動いているんだよ。自分が大将だって事を解らせる為にな」
「杉山・・・」
 大野の拳が怒りで震えた。
「おめえ、いつからそんなクズに成り下がったんだよお!!」
 大野はレーニンを、いや、杉山を殴りにかかった。しかし、呆気なく弾き返された。
「うおっ・・・!」
「大野君!」
「大野けんいち!」
「無駄よ、レーニン様にも『あの機械』を持たせて吸収しているのよ」
 房子が説明した。
「あの人!剣はどこなの!?今持ってるの!?」
「それは貴女達にとって知る必要の無い事よ」
 赤軍の長の女性はあえて明かさなかった。
「折角通りかかった駄賃だ。杖諸共貰おう!」
 杉山からレーニンの声に戻った。
「山田かよ子!羽根から出るな!」
「うん!」
 かよ子は次郎長の指示に従った。
「山田、お前、羽根を改造したのか?」
 杉山の声に変わった。
「ほう、桐島聡達東アジア反日武装戦線との戦いや、昨日の和光晴生が出した怪獣の能力(ちから)からして羽根に結界が張れるようだな。だが、我が威圧の能力(ちから)とやらで気絶させてくれる!」
 レーニンがかよ子を睨みつける。かよ子はレーニンの圧が身体に来て震えるのを覚えた。威圧の能力(ちから)が効いているのだ。次郎長達も気絶してしまった。
(私の武装の能力(ちから)や結界でも駄目なの・・・?耐えたい・・・!それに・・・)
 かよ子はある願いをを持っていた。
(このレーニンが杉山君を取り込んだっていうなら連れ戻したい・・・!)
 その時、越えたばかりの山脈から音が飛び出した。
「・・・え?」
 かよ子は振り向いた。山脈の火山から炎が噴火していた。その炎がかよ子に、いや、かよ子の杖に結界を貫通して降りかかった。杖が桃色に光る。
「これは・・・?」
 かよ子ですら驚いた現象だった。
「あの山から杖に力を・・・?」
 房子でも理解不能だった。
「これは・・・!!」
 レーニンは苦しみ出す。
「重信房子!杖は後回しだ!杯の持ち主を追うぞ!」
「え、ええ!今日はここまでよ!次は必ず貰うわ!」
 二人は車に乗る。
「い、行かせないよ!」

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