暁 〜小説投稿サイト〜
おっちょこちょいのかよちゃん
196 同体化した少年
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
した時にその元素の源をこの山脈としたのであろう」
「そうなんだ・・・」
 山脈を越えた所、大野や関根が異常な程の胸騒ぎを覚えた。
「この胸騒ぎは・・・、近くに『敵』がいるぜ!」
「ええ!?」
「何だ、あの車は?」
 綱五郎が一点を指差した。自動車が通っていた。
「あれは・・・!」
 かよ子達が発見すると同時に車から人間が二人降りてきた。一人は女でもう一人は男だった。
「杖の所持者か」
「レーニン様、丁度いい時に出会いましたね」
「ああ、寄り道するか!」
「あの人は・・・!」
 かよ子はその女を覚えていた。クリスマス・イブの日に名古屋で赤軍達と戦った日に現れた赤軍のリーダーだった。あの時は広島から奪ったという異世界の剣を用いていた。
「絶対に杖は渡さないよ!」
 かよ子は強気になる。
「本部に連絡せよ!」
 石松が促した。
「了解!」
 椎名が通信機を取り出して本部と連絡を取る。
「こちら藤木救出班、椎名歌巌!赤軍の長に異世界の男一名と対面した!」
『なんですって!?』
「通信したって何のいい事がある?」
 男が呟いた。そしてかよ子達を睨む。
「くっ!」
 かよ子の羽根の結界が男の攻撃を防ぐ。
「ふ、やはり機械では借り物の威力にしかならんか。威圧の能力(ちから)とやらでもな」
 そして男の声が変わった。
「よう、こんな所まで来てたなんてな」
 かよ子達にとって聞き覚えのある声だった。
「・・・え?」

 本部の管制室。かよ子の母達が杖の所有者の様子を確認する。
「うちの子がまた敵とぶつかったって!?」
「はい、赤軍の長に更に敵の勢力の人間です!」
 フローレンスはその位置にいる点に違和感を感じる。本来、戦争主義の人間であるならば点の色は黒になるはずである。しかし、点は黒と黄、交互に表示されていた。
「この点は一体?敵ですか、味方ですか・・・?」
 フローレンスはもう一度藤木救出班に連絡する。
「こちらフローレンスです。皆様が相対していますのは赤軍の人間ともう一名はどなたなのですか?」
『フローレンスさん、レーニンって人とあたってるけど・・・。声が杉山君に変わった・・・』
「杉山さとし君に!?」
 フローレンスは思い出した。戦争主義の世界の長・レーニンは偽物の護符、杖、杯の能力(ちから)が作動して動けなくなった事。しかし、赤軍の丸岡修がこちらに監禁していた足立正生と吉村和江を奪還された際にレーニンの声が聞こえた時、「あの少年」の声が聞こえた事。つまり、レーニンは杉山さとしの身体を吸収してそれを「核」として動いていると言う事である。
(しかし、どうしてあのレーニンが動いていますのでしょうか?他の者に出向かせますよりも自分で行きます方が都合がいいのですか?)
 イマヌエルが呼ぶ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ