過去編 ウルトラレグルス&ドクテラファイト
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ナイフ状のアイテム「トリアージャー」を鞘から抜刀した命が、雄叫びを上げて刃を空へと掲げる。
その透き通るような叫びが引き金となり、それぞれのアイテムから放たれる光が、2人の全身を飲み込んでいく。やがて無人となった市街地の中央に、新たなる光の巨人が「ぐんぐん」と拳を突き上げ、降臨するのだった。
両腕と両脚に銀色のラインを描いている、真紅のボディ。そしてウルトラセブンに近しい顔立ちでありながら、ゾフィーの様な楕円形の眼を持つ――レッド族のウルトラ戦士「ウルトラマンレグルス」。
他のシルバー族より、銀の比率が高いボディ。それに加えて頭部の一部と、肩からカラータイマーを通って腰に続くラインに赤い差し色を滲ませている、シルバー族の戦士――「ウルトラマンドクテラ」。
『行きますよ、レグルス。シュアァッ!』
『はい、師匠! ……イヤァアーッ!』
彼ら2人は変身した瞬間、即座にマッハ9という超音速で地を蹴り、船団を追って宇宙へと飛び出して行く。
その際に発せられた絶大なエネルギーは、光り輝き天を衝く2本の巨柱となり、遠方から目撃した人々を驚愕させていた。
「な、なんだぁっ!?」
「光の、柱……!?」
それがウルトラマンの出現に伴う現象であることなど、知る由もなく。逃げ惑っていた人々は騒ぐことすら忘れて、眼前に映る巨大な光の柱に、ただ目を奪われるのだった。
そして、2人の変身から10秒も経たないうちに。両手を広げて宇宙を飛翔していたドクテラとレグルスは、即座にラスヴァーダの船団を捕捉する。
船団に属しているバルタン星人の戦士達は、そのあまりにも早すぎる追撃に動揺しつつも、すぐさま迎撃に動こうとしていた。
『超高エネルギー反応接近! ウ、ウルトラ戦士ですッ!』
『何ィッ!? そんなバカな、ウルトラマンエナジーの他にも即応出来る戦士が居たとでも言うのかッ!?』
『ええいッ、各員戦闘配備ッ! 奴らの狙いはウルトラマンエナジーだ! 決して接近させるなッ!』
エナジーを拘束している十字架。それを牽引している宇宙船から、続々とバルタン星人が飛び出して来る。
彼らは鋏状の両腕から破壊光弾を連射し、ドクテラとレグルスを必死に牽制していた。だが、2人はその弾幕を軽やかに掻い潜り、瞬く間に距離を詰めて行く。
『イヤァアーッ!』
『シェアァアッ!』
レグルスの宇宙拳法が唸り、ドクテラの光線技が閃くと。彼らの行く手を阻むバルタン星人の群れは、紙切れのように吹き飛ばされて行った。
如何なる精強な戦士達の心も、一瞬にしてへし折るほどの圧倒的過ぎる戦力差。その隔たりの深さは、誰の目にも明らかであった。
『く、くそォッ! あんな雑魚1人のために、なんだってこんな奴らが出て来てやが
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