過去編 ウルトラレグルス&ドクテラファイト
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ルタン星人。その中でも屈指の武闘派と恐れられた、侵略軍司令官ラスヴァーダ……と言ったところですか。あなたが直々に鍛え上げた愛弟子……ウルトラマンエナジーすらも破るとは」
「ドクテラ師匠……」
「ここでは三蔓義命先生、ですよ。鷹村隼人君」
振り返った青年の唇に指先を当てると、白衣の男性も神妙な表情で天を仰ぐ。孫弟子の窮地を目の当たりにした彼の心中も、決して穏やかではない。
ウルトラマンエナジーの師匠である、ウルトラマンレグルス。そのレグルスが師事していた、ウルトラマンドクテラ。
彼ら2人はこの時、かつて自分達が依代としていた青年の姿と名を借りて、この次元の地球に訪れていたのだ。愛弟子にして孫弟子である、エナジーの危機を予感していたが故に。
「……申し訳ありません、三蔓義先生。弟子の失敗は俺の失敗です。俺がもっと、あいつをしっかりと鍛えていればこのような事態には……」
「隼人君。過ぎたことを悔いては前に進むことも、今在る生命を守ることもできません。それはあなたを弟子に取った時、最初に教えたことですよ」
「……はい」
ウルトラマンレグルスこと鷹村隼人は、己の不甲斐なさを責めるあまり拳から鮮血を滴らせていた。
医師として、それを見過ごすわけには行かなかったのだろう。ウルトラマンドクテラこと三蔓義命は、自然な手つきで隼人の手を取り、流れるように応急処置を施して行く。
あっという間に彼の手を止血した命は、穏やかにして毅然とした面持ちで、隼人と向かい合う。すでに彼の意図を察していた隼人は、命がこの先の「作戦」を語るよりも早く、深く頷いていた。
「すでに力尽きている今のエナジーでは、自力であの拘束から逃れることは叶わないでしょう。それに本来、別次元の宇宙を守らねばならない立場にいる私達も、長くこの次元の地球には留まれない」
「早急に『持ち場』に戻らねばならない俺達が、最速でエナジーを救出するには、やはり……」
「『ウルトラの星作戦』しかない、ということです。……やるべきことは分かっていますね?」
「当然です。我々の力で、『ウルトラの星』を創りましょう」
――「ウルトラの星作戦」。
かつて初代ウルトラマンとウルトラセブンが、「帰ってきたウルトラマン」ことウルトラマンジャックを救出する際に実行したとされる作戦の名である。
迅速かつ確実に、愛弟子を救出するため。偉大なる先人の知恵を借りることを決意した命と隼人は、夕焼け空を睨み上げると、各々の「変身アイテム」を取り出して行く。
「レグルスッ!」
「レグリスト」と呼ばれるブレスレットを装着した右腕から、鋭い正拳突きを繰り出すと同時に、隼人が叫び。
「ドクテラッ!」
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