過去編 ウルトラリッパーファイト
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を呼び込んできた、最大の元凶を指す名であった。
彼らの強大さと、今の弟子達の未熟さを知るが故に。リッパーは暫し、ヒッポリト星人の「言い分」に耳を傾けている。
『だからその前に、俺様の手で地球人共をブロンズ像にしてやろうってんだよ! 俺様のタールで肉体を覆われた生命体は、半永久的にブロンズ像の中で生き永らえるんだぜ!? 例え地球が奴らに吹き飛ばされても、地球人という種の存続は可能となる! こんな美味い話が他にあるか!?』
『……なるほど。そいつぁ確かに、ありがてぇ話だな』
『だろう!? ハハッ、あんたなら分かってくれると思ったぜ! 俺様にゃあまだまだ利用価値がある! こんなところで殺すなんてもったいねぇ! そうだろう!?』
やがて、尻餅をついたまま手を差し出し、助けを求めようとしているヒッポリト星人に対して。リッパーは静かに、左手を伸ばしていく。
だが、ヒッポリト星人に降伏の意思などなく。彼は狡猾に、逆転の一手を打とうとしていた。
(へへ……甘いなァ、ウルトラマンリッパーさんよォ。タールを出せる発射口は、カプセルの中だけじゃねぇのよ。実を言うと、俺様の掌からも放射出来るんだぜぇ? てめぇがこの手を取った瞬間、直接タールをぶちかましてやらァ……!)
リッパーが自分を助け起こそうとした瞬間、掌から噴射されたタールによって、ブロンズ像にされてしまう光景を夢想しながら。ヒッポリト星人は下品な笑みを噛み殺し、無力な敗北者を演じていた。
しかし。
『え?』
リッパーが差し伸べた左手はヒッポリト星人の掌ではなく、上腕部を掴んでいた。
次の瞬間、その腕はリッパーの腕部にあるヒレの刃によって、バターのように両断されてしまう。
『ふんッ!』
『……ッ!? ひ、ぎゃぁあぁあッ!?』
エネルギーを宿したヒレ状の刃で、相手を切り裂く「ウルトラZスラッシュ」。
その一閃によって片腕を斬り落とされたヒッポリト星人は、絶叫を上げてのたうち回る。そんな彼の醜態を、リッパーは冷酷な眼で見下ろしていた。
『て、てめぇなんてマネしやがるッ! それでもウルトラの戦士かよッ!? 誇りってものはねぇのかッ!?』
『ハッ、まさかてめぇに誇りを説かれるとは思わなかったぜ。……お上品な相手じゃなくて、残念だったな』
予想だにしなかった斬撃を受け、ヒッポリト星人は苦悶の声を上げながら必死にリッパーを糾弾している。だが、当のリッパーは悪びれもせず、不遜な笑みすら浮かべているようだった。
『……何か勘違いしていやがるようだから、一つ教えてやるぜ』
『な、何ィ……!?』
『今のてめぇの話は所詮、テンペラー軍団にはどう足掻いても敵わないという前提の上にしか成立し得ない、机上の空論でしかねぇのよ。俺は
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