過去編 ウルトラリッパーファイト
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やるぜぇッ!』
ジェムに戦い方を教えた師匠の1人である、ウルトラマンリッパー。その巨躯目掛けて、ヒッポリト星人は炎を纏う拳を振り上げ、真っ向から襲い掛かっていく。
先ほどの戦闘で自分に挑んできたジェム達を、1人残さず叩き伏せた炎の拳。目の前にいる新手もこの力で捩じ伏せてやろう、という甘い考えであった。
リッパーは当然のように、その灼熱の拳を掌で容易く受け止めてしまう。炎の高熱すらも通用していないのか、リッパーは涼しげな佇まいで、瞠目するヒッポリト星人と視線を交わしていた。
『なッ……!?』
『……礼を言いに来たと言っただろう? ありがとうよ。最近のバカ弟子共は連戦連勝だからって、ちょっと調子に乗り始めていやがったからなァ。ここらで一度、お灸を据えてもらう相手としてお前は実に理想的だったぜ……ヒッポリト星人』
『ふがあァッ!?』
中腰の姿勢から放たれる、体重を乗せたストレートパンチ。先ほどの不意打ちとは比にならない威力に、ヒッポリト星人は再び転倒してしまう。
今度は、すぐに立ち上がることさえ出来なかった。あまりの威力に足に力が入らず、尻餅をついたまま後退りするしかないヒッポリト星人を追い詰めるように、リッパーは悠然とした足取りで距離を縮めていく。
『今回のことがありゃあ、こいつらだって己の甘さを知って鍛錬にも励むようになるだろうさ。……で、お前はもう用済みってわけだ』
『ふざけんじゃねぇ! 俺様の芸術の邪魔はさせねぇぞッ!』
だが、ヒッポリト星人にはまだ奥の手がある。ジェムをはじめとする新世代のウルトラマン達を完封してきた、ヒッポリトカプセルがあるのだ。
彼は尻餅をついた姿勢のまま形勢逆転を狙い、リッパーの頭上にカプセルを出現させる。そしてジェム達を封じた時のように、素早くカプセルを急降下させたのだが。
『なッ!?』
『そんなもん、俺に当たると思うか?』
『ひぎゃあッ!』
頭上に目線を向けていたわけでもないのに。ヒッポリト星人の所作から企みに気付いていたリッパーは、真横に側転してカプセルをあっさりとかわしてしまうのだった。
そして反撃とばかりに、横薙ぎに蹴りを入れられてしまったヒッポリト星人は、満身創痍といった様子で命乞いをし始める。
『ま、待て! 待ってくれぇッ! 俺様は何も、地球人を滅ぼそうだなんて考えちゃいないんだッ! むしろ救いに来たんだよォッ!』
『ほう……?』
『お前ほどの戦士なら分かるだろう!? あんなひよっこ共じゃあ奴らには……テンペラー軍団には絶対に敵わねぇ! 遅かれ早かれ、この星は奴らに滅ぼされる! 絶対にだ!』
『……』
その口から出てきた「テンペラー軍団」という単語に、リッパーは一瞬だけ足を止める。それは、この次元の地球にあらゆる災厄
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