特別編 ウルトラカイナファイト partFINAL
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Kの方々の御霊には、俺からも感謝を捧げたい」
「尊……ありがたい限りだが、その気持ちだけ貰っておこう。今のお前は『世界最優のボディガード』として、引く手数多な身だ。身辺警護課の人間ならば、今生きている人々のために時間を使え。彼らへの感謝なら、俺が纏めて持って行く」
「分析官殿……」
テンペラー軍団との戦闘で命を落とした、BURKの隊員達。その慰霊碑に眠る魂を思い、覇道尊は神妙な表情を浮かべていた。
「ウルトラマンの依代だった俺達は、『人』でありながら『神』であることを求められていた身だ。確かにその重荷は、ただの人間に戻ったからと言って容易く降ろせるものではない。……だからこそ、俺達『兄弟』が分かち合わねばならんのだ」
「……ありがとうございます、分析官殿。あなたがそう仰るのであれば、俺は従うのみです」
「これくらい言わねばならんような男であることは、今さら分析するまでもないからな。……お前はやはり、独りで背追い込み過ぎる」
そんな彼も雄介の言葉に心を救われたのか、普段の仏頂面に反した笑みを僅かに零している。
「そうそう。三蔓義先生のおかげで、部下の人達も無事に退院できたことですし。肝心な時に尊さんがいないと、皆も困っちゃいますって。今度の休みは大阪で、皆にたこ焼き奢ってあげるんでしょう?」
「……ふっ、確かにな。お前の言う通りかも知れん。しかし要、今日はあの猫島という娘との予定があったのではないか?」
「今度のコミケに全日付き合うなら許す、って言われちゃいましたよ。またコスプレさせられるんだろうなぁ、俺……」
彼を励ましている八月朔日要も、猫島菜緒との「約束」の内容に肩を落としていた。彼の夏休みは、過酷な宿命を帯びてしまったらしい。
「ま、まぁまぁ。俺もネットで見ましたけど、要さんのコスプレって結構イケてたじゃないっすか。去年の銃剣男子コスも好評だったみたいですし、俺はカッケーって思いますよ」
「……じゃあ磨貴、お前も来るか? あの茹だるような炎天下の会場にさ」
「お……俺は遠慮しときます」
その地獄を知る者ならではの目には、フォローしていた荒石磨貴もたじろいでいる。この後、彼もカメラマン役に連れ出されてしまったことは言うまでもない。
「……はぁ。せめて嵐真先生達みたいに足が長けりゃあ、もうちょい映えるんだろうけどさ……」
「心配するな、要。そのコミケ……とやらのことはよく分からんが、お前はどのような格好でも男前だ。俺が保証する」
「あーもう、尊さんまで茶化さないでくださいよ!」
「茶化してなどいない。俺は本気で言っている」
「なおタチ悪いんですけど!」
「ははっ、要も青春してるなぁ。……思えば、この6年間の中にもそんな『息抜き』があったから、俺達もここまでやって来られたのかも
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