特別編 ウルトラカイナファイト part13
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実を本能で察知したバードンは、両翼を広げて素早く上空へと飛び立ってしまう。
頭上から攻撃するつもり、というわけではない。このまま逃げるつもりなのだ。
『――逃すかよ』
先程は容易く防がれたが、今度はそうはいかない。そう言わんばかりに、ジェムは再び両腕を大きく開き、十字に組む。
『ブリリアントッ! 光ッ線ッ!』
そこから放たれる、虹色の巨大な閃光は――空の彼方へ逃げ去ろうとしていたバードンの背に突き刺さり。痛みを感じる暇すらも与えず、一瞬のうちに爆散させてしまう。
この一撃を以て、ジェムの勝利は確実なものとなり。テンペラー星人が従えていた怪獣軍団は、ついに全滅の時を迎えたのだった。
「か……勝ったのか!? 勝ったんだ、ウルトラマンジェムが勝ったんだぁあ!」
「おい、ニュース見ろよ! 他のウルトラマン達も、全部の怪獣を倒しちまったらしいぜ!?」
その瞬間と爆炎を仰ぐ人々は、さらなる吉報を耳にして歓声を上げている。バードンの最期を見届けていたフランス支部の歩兵部隊も、安堵の息を吐き出していた。
「……あれがウルトラマンジェムの真の力、ということですか。ふふっ……私達フランス支部も、負けてはいられませんねっ!」
現代に蘇ったジャンヌ・ダルクの如く、歩兵部隊を率いていた金髪の巨乳美少女――エレーヌも。虹色の光線を以て、地球に勝利を齎したジェムの巨躯を仰ぎ、華やかな笑みを咲かせていた。
戦闘の終結を見届けたアリア機長も、仲間達の生還に安堵の息を漏らしている。
『……皆、ありがとうな。この調子で必ず、カイナ兄さんも助けて見せるぜ。……タアァーッ!』
そんな隊長の笑顔と、喜びの声を上げる人々に親指を立てた後。両手を広げて地を蹴ったジェムは、東京を目指して全速力で飛び去って行く。
ブリリアントモードに変身したことで、マッハ7もの加速を得たジェムの身体は、瞬きする暇もなく人々の視界から消え去るのだった。
――そして、全ての怪獣を撃破した5人のウルトラマン達は。ついに決戦の地へと、足を踏み入れるのである。
6年間にも渡る死闘の連鎖に終止符を打ち、この地球に真の平和を取り戻すために。
今こそ。その手を、繋ぐ時が来たのだ。
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