特別編 ウルトラカイナファイト part13
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「BURKの……フランス支部!? 生身でやり合う気かよ、あいつらっ!」
「あんた達、戻れっ! ウルトラマンジェムでも敵わない相手なんだぞ!? 殺されちまうっ!」
それでもフランス支部の歩兵部隊は、旅行客達の声に耳を貸すことなく、光線銃の引き金を引く。外野の下馬評など知ったことか、と言わんばかりに。
そして、バードンの片目にのみ照準を合わせていた彼らの銃撃は、寸分の狂いもなく命中していた。1丁だけでは大した威力にはならない光線銃でも、数十人掛かりで脆弱な部位に撃ち込めば、十分な効果を発揮できるのだ。
「す、すげぇ! あいつら、怪獣の片目を潰しやがった!」
「あぁ、でもダメだ……! あの怪獣、ますます怒っちまった!」
片目を潰されたバードンは甲高い悲鳴を上げ、横転してしまう。だが、残されたもう一つの目は激しい怒りと殺意を宿して、歩兵部隊を射抜いていた。
すぐさま立ち上がったバードンは、光線銃の狙いを安定させられないように、両翼をはためかせて猛風を起こしていく。その風圧に次々と転倒していく歩兵達を冷酷に見下ろしながら、怪鳥は嘴を大きく開いていた。
貴様らなど餌にも値しない。この場で消し炭にしてやる。その意思を込めた、火炎放射を放とうとしているのだ。
『させ……るかぁああッ!』
だが、それを許すウルトラマンジェムではない。水飛沫を上げて立ち上がったジェムは、背後からバードンの嘴を掴むと、力任せに閉じて火炎放射を逆流させてしまった。
ウルトラマンリッパーと、ウルトラマンルプス。荒々しく野性的な戦法を得手とする師匠達の教えが、この強引な力技に顕れているのだ。
自身の火炎で体内を焼かれたバードンは苦しみにのたうち、ジェムから距離を取るように湖から這い出て行く。その時すでにジェムは、「最後の切り札」である最強形態へと進化していたのだ。
全ての甲殻を捨て、細く引き締まった体格へと変貌したジェムの肉体。その差し色は茶色から、鮮やかな虹色へと変わっていた。
まるでダイヤの原石が磨き上げられ、眩い宝石へと生まれ変わったかのように。ジェムの身体は、「ブリリアントモード」へと強化されていたのである。
『……へっ。カイナ兄さんは鎧を着てからが本番なんだけどな。俺の方は、脱いでからが本番なんだよッ!』
甲殻を失い、身軽になったというのに。中腰の姿勢から、一気に間合いを詰めて放たれたジェムのパンチは、以前よりも遥かに強力になっていた。
先程までとは比べ物にならない速さで飛ぶジェムの拳に、バードンは悲鳴を上げる暇もなく吹っ飛ばされてしまったのである。単に身軽になっただけではない。パワーまで大きく向上しているのだ。
生物としての「格」が違い過ぎる。
優秀な怪獣兵器であるが故に、その事
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