特別編 ウルトラカイナファイト part12
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撃を顔面に叩き込まれたバキシムは、痛みを知らぬまま「死」へと吸い寄せられるかのように、後退りして行った。
『……これで、終わらせる!』
だが、恐怖を知らない超獣は死ぬまで戦うことを止めようとはしないのだ。それをよく知っているアークは、今度こそ決着を付けるべく、「最後の必殺技」の発射準備を開始する。
両手を天に掲げたアークは、頭部のウルトラホールにエネルギーを集中させると。己に秘められた全ての力を、一つの光球として具現化させていく。
やがて、その光球を両手で握り締めたアークは。体勢を立て直し、こちらに突進して来る哀れな超獣へと。
『スペース……アァークゥッ!』
全力を込めて、投げ付けるのだった。ウルトラマンアークという超人に秘められたエネルギーを、限界まで凝縮させた光球は――バキシムの巨体に触れた瞬間。
超獣の肉体すら一瞬で吹き飛ばすほどの、大爆発を引き起こしたのだった。天を衝く爆炎が超獣の肉片を四散させ、この戦いの終焉を周囲に報せていく。
「アークの勝ちだ……! ウルトラマンアークが、勝ったんだ!」
「やったあぁあ! 俺達、助かったんだあぁあ!」
スペースアークの炸裂を目の当たりにした旅行客達から、爆発的な歓声が上がった頃には。遠方から戦況を見守っていたイギリス支部の艦隊も、目標の沈黙を確信し、祖国へと帰還し始めていた。
「……あれが、ウルトラマンアーク。2年前にもこの地球を救ってくださった、栄光あるウルトラ戦士の1人なのですね。共に戦えたことを……光栄に思いますわ」
その司令官を務めていた、金髪を靡かせる色白な美少女――オリヴィアも。縦ロールに巻かれた髪をか細い指に絡ませながら、安堵の笑みを溢している。
『やっぱり、BURKあってこその俺達だよなぁ。……さぁ、俺も早く兄さん達と合流しないとな! テェェイッ!』
去り行く艦隊を見送ったアークも、やがて先を急ぐように両腕を揃えて伸ばすと。一気に地を蹴り、大空へと飛び出して行くのだった。
旅行客達や艦隊に手を振りながら飛び去って行く彼の姿は、人々を苦笑させている。彼が度々見せている、ウルトラマンらしからぬ人間臭い仕草は――機械のような超獣とは、あらゆる面において対極のようであった。
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