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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第三章 〜心の在処〜
その三
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団戦は得意でな」

 シアのファーストキス暴露話の時、柳哉は実際にそれを見せ付けている。しかも、魔法は一切使わずに。その時にそれを見ていた、あるいは実際に味わったであろう数人が集団から離れていき、それを見てさらに数人が離れる。こうなれば、もはや烏合の衆以下だ。先頭にいたリーダー格らしい男子生徒も舌打ちをしつつ、校舎に入って行く。

「……助かったよ」

「一時しのぎでしかないだろうけどな」

「……はあ」

 ため息をつく稟だった。


          *     *     *     *     *     *


 その後。

「……」

 確かに、実力行使は無い。

「………」

 しかし、それ以外は大いにあった。

「…………」

 例えば、授業中。

「……………」

 狙い済ましたかのように投げ込まれる消しゴム弾の雨。

「………………」

 例えば、休み時間。

「…………………」

 廊下で擦れ違うたびに罵詈雑言の合唱を浴びせる男子生徒達。

「……………………」

 それらはまだいい。まだいいのだ。問題は……

「……稟……」

 休み時間ごとに自分の所属する1−Bではなく、稟達のクラスである2−Cに入り浸っているプリムラの存在だ。

「……稟……」

 ちなみに現在、五時限目が終了した所だ。すなわち、プリムラが2−Cを訪れたのは本日五回目になる。そんなプリムラだが、早々に親衛隊が結成されたようだ。この学園でも特殊且つ屈強な男達で結成された、まさに最強の親衛隊、だそうである。樹曰く、『まさか柔道部主将、レスリング部主将、そして二次元美少女愛好会会長の三人が堅い握手を交わすシーンをこの目で見ることができるとは思わなかった』そうである。親衛隊名、プリムラ親衛浪士隊“PPP”――正式名称“プリムラぷりぷりちー”――もはや何でもありである。

「あ、いたいた」

「みなさん勢揃いですわね♪」

 明るく元気な声とおっとりとした声。亜沙とカレハだ。

「どうかしましたか……」

「稟ちゃん、何だかヤサグレ?」

 ぐったりした稟はどこかヤケになったような口調だ。無理もないだろう。

「リムちゃんが転入してきたって聞いて様子を見に来たんだけど……」

「一年生の教室を覗いてみたんですが、プリムラさん、今日はこちらに入り浸っている、とのお話でしたので」

 どうやら三年の方でも話題になっているようだ。

「話題っていうか、黒い噂? まあ、今日一日くらいはコソコソしてるのがおススメかな」

「治癒魔法は得意ですから、必要でしたら遠慮なく(おっしゃ)ってくださいね」

「カレハ、使うならボクがいない時
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