特別編 ウルトラカイナファイト part11
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いるかのようであった。
『中国支部だと……!?』
爆撃機の編隊が急上昇する寸前に放った、大量の爆弾は――1発たりとも外れることなく、その全弾がブラックキングの頭部へと叩き込まれていた。
BURK炮龍の両翼部に搭載された4連装対空ミサイルランチャーの弾頭や、BURK烈龍の機首に装備された単装76mm速射砲の砲弾も間髪入れず撃ち込まれ、ブラックキングの視界を爆炎と硝煙で封じている。
『まだまだァッ! 私達中国支部の恐ろしさは、こんなもんじゃあないわよッ!』
『神虎炸裂誘導弾――全門斉射!』
そして旋回した爆撃機隊が、下部爆弾倉に搭載された「神虎炸裂誘導弾」を矢継ぎ早に撃ち出し、黒き怪獣の顔面へと炸裂させた瞬間――その象徴とも言うべき一角が、ついに破壊されてしまうのだった。
自慢の角を、見下していた地球人の兵器にへし折られてしまった怪獣は、悲鳴を上げてエナジーの拘束を緩めてしまう。その一瞬が、「敗因」であった。
『……おい。いつまで俺の上にいるつもりだ?』
僅かな隙を突いてブラックキングの拘束を外したエナジーは、背を向けたまま勢いよく後方に頭を振る。アイスラッガー状のトサカが、ブラックキングの喉首に突き刺さったのはその直後だった。
アキレスラッガーやザインスラッガーとは違い、エナジーのその部位には取り外し機能がない。
だが、外れる仕組みではないということは――その分だけ、刃物として頑丈という意味でもあるのだ。それこそ、ブラックキングの外殻さえ貫通できるほどに。
『何が「ブラックキング」だ、紛い物の僭王風情が。……貴様のような不逞の輩が、この城を壊そうなどとは片腹痛いッ!』
のたうち回るブラックキングの首を掴まえたエナジーは、傷口目掛けて再び拳を叩き込んでいく。外殻ごと抉られた部位にさらなる衝撃を与えられ、漆黒の怪獣はたまらず横転してしまうのだった。
死に瀕するほどのダメージを負っている今の状況でも、エナジーの眼は全く死んでいない。かつては師匠との「特訓」において、生身のまま何度もジープで撥ねられたこともある彼にとっては、「死」以外は「誤差の範囲」に過ぎないのである。
『貴様の外殻はスペシウム光線すら通さんと聞くが……これはどうかな?』
そして、痛みに苦しむブラックキングが、ようやくその巨躯を起こした時には。すでにエナジーは、必殺光線の発射準備を完了させていた。
右腕を斜め上に伸ばし、左腕を横に倒し。右腕の肘に左腕の指を当てるという、独特の体勢。人々がその構えを目の当たりにした瞬間、彼らはこの戦いの終焉を悟るのだった。
『エナジウム……光線ッ!』
眩い輝きを帯びた、破壊の閃光。その一条の煌めきは、甲殻を
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