特別編 ウルトラカイナファイト part10
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だがエレキングは、そうはさせじと自らの尾に強烈な電流を流し、ザインの首から全身へと強烈なショックを与えるのだった。
それはエレキングにとって、必殺の一撃だったのだろう。だが、ザインにとっては違っていた。
『……甘いな、エレキング。専任分析官たるこの俺が、何の算段もなしに貴様のところに来たと思うか?』
電子回路のような身体の模様に電流が迸り、額のビームランプに眩い輝きが灯る。ザインはダメージを受けるどころか、むしろエレキングの電流によってさらにパワーアップしていた。
電気属性の持ち主であるザインは、エレキングが電流を放って来るタイミングを伺い続けていたのである。この瞬間に訪れた、絶好の勝機を得るために。
『ジュアアァッ!』
高まった力を全開にしたザインは、電気を放出したままの尾を掴み、再びエレキングの巨体を投げ飛ばしてしまう。そして矢継ぎ早に、頭部の宇宙ブーメラン「ザインスラッガー」を投げ付けるのだった。
アキレスラッガーをも凌ぐその切れ味は、エレキングの身体を紙切れのように切り裂いて行く。首すらも容易く刎ね飛ばしてしまったのは、その直後であった。
『……さすがは、この長きに渡る戦乱の元凶。テンペラー軍団の一角、ということか』
だが、まだ終わりではない。満身創痍のエレキングは首を斬り落とされたというのに、まだ両手を伸ばしてにじり寄っている。ここまで痛め付けられてもなお、ザインに襲い掛かろうとしているのだ。
さながらゾンビのようなその姿は、死してもなお殺戮と闘争を望む彼らの獰猛さを、言外に物語っているかのようであった。
『お前は……どう生きても、今のようになるしかなかったのかも知れんな。ならばせめてもの手向けとして、お前に相応しい「最期」をくれてやる』
その姿に、哀れみすら覚えるようになったザインは。完全なる「死」を以て「救済」とするべく、最大火力の必殺技を放つ決断を下すのだった。
スペシウムエネルギーを充填させた両手の拳を前に出した彼は、手を開いて二つの光弾を出現させる。
『ザイナ――スフィアァアッ!』
その光弾を一つに集約させ――ザインは。自らの力で顕現させられる限りの、「最強の光弾」を撃ち出すのだった。
眩い電光を纏って翔ぶ、必殺の一撃。その球体は瞬く間にエレキングを貫き、内側からの大爆発を引き起こして行く。
「か、勝った……ザインが勝ったぁあ!」
「やったあぁあ! ザイン、ありがとおぉおおっ!」
少女達をはじめとする神戸の人々から歓声が湧き上がったのは、その直後であった。
天を衝くようなその爆炎を目の当たりにすれば、誰もが理解できるのだ。この戦いは、ウルトラマンザインの勝利に終わったのだと。
「……見事な一撃でした。さすがは4年
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