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ウルトラマンカイナ
特別編 ウルトラカイナファイト part9
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の時。

『……!?』

 突如、海の彼方から無数の誘導ミサイルが飛び込んで来たのである。数え切れないほどの軌跡を描く弾頭の雨は、ゼットンの顔面に容赦なく直撃していた。
 やがて爆煙が晴れると同時に、ミサイル攻撃を実行した「戦闘機の大編隊」の機影が見えて来る。その機体の垂直尾翼には、BURKの4文字に加えて――星条旗が描かれていた。

『あれはBURKの……アメリカ支部か!?』

 これまで自国の防衛にのみ専念し、日本で起きていた戦闘にはほとんど介入して来なかった海外のBURKが、ついに駆け付けて来たのである。
 GUYSガンクルセイダーを想起させる、曲線的なボディ。そのシルエットはまさしく、世界各国のBURKで運用されている制式主力戦闘機「BURKクルセイダー」のものであった。

『よし、全弾命中ッ! あれが、初代ウルトラマンを倒したっていう宇宙恐竜ゼットンね……! 上等じゃない、BURKアメリカ支部の底力を証明するには丁度いい標的だわッ!』
『アメリア隊長、気をつけてください! あのウルトラアキレスでも、苦戦を強いられているようです……!』
『……だったらなおさら、私達が活躍するチャンスってことじゃない! 覚悟を決めなさい、エリー!』

 その機体を駆る女性パイロット達は皆、毅然とした面持ちでゼットンの巨体を見据えている。
 この怪獣達は、人類が持てる全ての力を賭けて倒さねばならない規模の相手なのだと、彼女達も理解していたのだ。もはや、国単位の「持ち場」に拘っている場合ではないのだと。

「お、おい見ろ……! あの怪獣、アメリカ支部のミサイル攻撃を喰らっても、ピンピンしてやがる!」
「だ……ダメだぁ。あいつ、不死身なんだぁ!」

 だが、物量と火力にものを言わせた総攻撃でも、BURKの――人類の通常兵器では、怪獣を完全に仕留め切ることは出来ない。相手がウルトラマンすら倒せてしまう宇宙恐竜となれば、なおさらだ。

『俺も……負けてられないなぁッ!』

 それでも、ほんの僅かな「隙」は生まれる。それこそが、アメリカ支部からアキレスに託された「勝機」であった。
 ゼットンが頭上を飛ぶ戦闘機隊に狙いを定め、火球を放とうとした瞬間。アキレスは左腕のブレスレットから、三又の槍――「ウルトライデント」を顕現させる。

『アキレスラッガーでも足りないのなら……これで、どうだあぁあッ!』

 戦闘機隊に注意を逸らされ、バリヤーの展開が疎かになっている隙に。アキレスはその槍を振りかぶり、一気に投げ付ける。
 三つの切っ先が胸部の吸収器官に突き刺さり、ゼットンが片膝を着いたのはその直後だった。光線技を吸収・反射するための部位が破壊された今なら、通用するはずだ。
 最大火力の、必殺光線が。

『イーリア……シ
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