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ウルトラマンカイナ
特別編 ウルトラカイナファイト part7
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「やべぇ、ガチでやべぇじゃん! もう怪獣、すぐそこまで来てるって!」
「早く逃げないと、どんな攻撃で殺されるが分かったもんじゃねーよ!」
「おいお前ら、迂闊に動き回るなって言ってるだろうが! 早く体育館に――!」
「体育館に逃げ込めば何だって言うんすか! 死んだらオシマイなんすよ、先生ッ!」

 要達が通っていた大学と同様に、都内の高校もテンペラー軍団の襲来に騒然となっていた。授業どころではなくなった校内はパニックに陥り、生徒達は体育館に避難させようとする教師陣の呼び掛けにも耳を貸さず、我先にと学校から逃げ出している。

「お前ら落ち着け! 先生の言う通り、体育館に逃げるんだよ! 危ないのは怪獣だけじゃないんだ、外に出たらガラス片や石飛礫だって飛んで来るんだぞ!」
「そうだ! 下手に飛び出す方が危険なんだぞ、慌てるなお前らッ!」

 だが、その非常時の只中であっても冷静さを失わず、教師と協力して学内への避難を呼び掛けている生徒もいた。相撲部のエース、大力力也(おおりきりきや)と――宝石店の息子にして、元不良(・・・)でもある荒石磨貴(あらいしみがき)だ。

「お、大力、荒石まで……」
「でっ、でもよぉ……」
「でももクソもあるかッ! お前らが死んで悲しむのは、親やセンコーだけじゃねぇーんだぞッ!」

 かつては校内きっての「札付き」だった彼ら2人は、今や生徒達だけでなく、教師陣からも一目置かれる「優等生」となっていた。そんな2人の言葉に、外へ飛び出そうとしていた生徒達にも「迷い」が生まれ始めている。

「磨貴、ここは俺がどうにか収めるから……お前は早く、『兄貴達』のところに行ってやれ!」
「力也……!」
「もう分かってるはずだろ? お前にしか出来ない、お前のやるべきことはよ!」
「……っ」

 ふと、力也が投げかけて来たその言葉に、磨貴は拳を静かに震わせていた。この校内で、力也だけは知っているのだ。

 荒石磨貴は1年前、第6の新人ウルトラマンとして地球を救った、知られざるヒーローだったのだということを。
 ウルトラマンとしての責任に苦しみながらも、持ち前の情の厚さを頼りに、1年間もの地球防衛をやり抜いたのだということを。

 力也自身も、そんな彼の戦いを親友として支え続けていたからこそ。不良という立場から磨貴と共に脱却し、優等生と見られるほどにまで成長出来たのである。
 ウルトラマンという「正義のヒーロー」としての役割を、命懸けで完遂した経験が。磨貴を更生させ、力也を正しく導いていたのだ。

 そして今、テンペラー軍団の襲来によって地球は最大の危機を迎えている。そんな中で力也に出来ることと言えば、混乱している生徒達を説得することくらいだ。
 しかし、磨貴は違う。空に輝く人工のウルトラサイ
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