第12話『契約』
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移っていく。
「出来れば使えるに越したことはないんだが……立奈を巻き込むのはな……」
「あ、それに関しては問題ないと思います」
そういうと玲人は自分たちの鉄脈術―――《画竜点睛》の特性について説明をする。即ち、効果範囲と持続時間が非常に長いことだ。これにより魔女である立奈と必ずしも行動を共にする必要がないという強みが生じる。
「それは本当か?」
「まぁ、無理しすぎなければ。立奈たちを山から下ろしても問題なく動けます」
「そうか……ならば大きな変更は必要ないな」
再び急襲される可能性もあるため、迅速に行動する必要がある。
燕の号令で再び下山組と捜索組に別れるが、その前に。
「……そんなに緊張しなくてもいいんだぞ?」
「いえ、その、はぃ……」
どこか落ち着かない様子で立奈が近づいてくる。鉄脈術を発動するためだ。
効果時間が切れ、再発動の必要があった輝橋たちは既に発動を終えており、全員の注目がこちらを向いている。
「……向こうの陰の方じゃダメですか?」
「ダメじゃないけど余計変なことしてる感出ると思うよ」
「うぅ……」
立奈自身も時間がないことは理解しているのか、それ以上ごねるようなことはなかった。
差し出された玲人の手に重ねるようにして立奈の手もリアクトカメラに触れる。
「精錬開始、最果て見えぬ影の中」
「精錬許可、最後の希望は手中にありて」
先ほどは気づかなかったが、発動に使ったリアクトカメラが変形している。これも鉄脈術の効果の一部か。
変形したカメラの使い道は分かっているので、邪魔にならないようにジャケットの内ポケットにでもしまっておく。
「……ん?あれ?」
「さて。もういいですよ」
「……そうか」
首をかしげる輝橋をよそに、燕の指示により立石たちが下山のコースを取る。
大丈夫か、と目で問いかけてくる輝橋に問題ないとうなずいて見せると、それ以上詮索するつもりはないのか、如月を抱えて飛び立った。
それぞれの班が無事に出発したのを確認し、玲人たちも行動を開始する。
さあ。ミッションスタートだ。
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