暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
エピローグ
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
本来美炎ちゃんは聖杯戦争なんかに関わるべきじゃない。美炎ちゃんの戦いは……」
「うん。分かってる。わたしは、コヒメを守るために戦う。そのために、今は戻る。それでそこから、コヒメが大丈夫だって説明するから! 分からないことだって、諦めたくない」
「うん。きっと、コヒメちゃんが私たちとの懸け橋になれば、それこそヤマタノオロチ……ううん。ツクヨミとの共存だって出来るかもしれない」
「その未来は……きっと、煉獄さんだって望んでいるはずだよね」

 やがて二人の刀使は、どちらともなく、拳を突き出す。
 握った拳。それを突き合わせる。
 それはまさに、可奈美にとって全ての始まり。岐阜羽島駅の改札口で美炎と交わした約束そのものだった。

「じゃあ、戻るね。可奈美」
「うん……」
「あ、でもわたし、もう参加者じゃないから……見滝原を行き来できるようになったんだよ。だから、助けが必要だったらいつでも呼んで!」
「うん……! わかった! がんばる! あと、帰ったらまたやろうね、立ち合い!」
「……っ! うん……! あ、じゃあもう一回、再戦の約束、しよう!」

 美炎の言葉に、可奈美は笑顔を見せる。

「うん! 約束!」

 可奈美のその声に力がこもる。

「今度、また試合しようね!」

 やがて、発車時間となる。
 車両の窓から手を振るコヒメ、美炎。お辞儀を返す清香。
 ハルトの前で、可奈美が走っていく。

「必ずだからね! 絶対、また、試合しようね!」
「うん! 約束したからね!」

 窓を開けて、美炎も手を振る。
 やがてホームが途切れても、可奈美は電車が見えなくなるまで、手を振り続けていた。



 ヤマタノオロチの封印跡地。
 そこに、帽子の青年は訪れていた。

「へえ……ここが、例の怪物がいた……」

 ソラ。
 ハルトと因縁浅からぬ彼は、ぐるりと地下空間を見渡す。
 マグマがあった箇所も完全に冷めきっており、人智の及ばない深さのそこには、すでに明かりもない。ファントムの体でもなければ、きっと何も見えなかっただろう。
 目的地は一つだけ。
 修復された社と、その底にある、今はただの古井戸の形をしたそこへ、ソラは足を近づけた。

『君はなぜここに来たんだい?』
「いいじゃん。折角君のお友達から、こんなのもらっちゃったんだから」

 ソラはそう言いながら、手にした黒いそれを手玉する。
 懐中時計を思わせる、手のひらサイズの黒い機械。かつてハルトが、アサシンのマスターと戦った時も重要なアイテムとなったものと同種である。

『モノクマか……彼はどうやら、君を()いているようだ』
「嬉しいね。でも生憎。僕は聖杯戦争に参加するつもりはないんだ」

 ソラはそう言いな
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ