エピローグ
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本来美炎ちゃんは聖杯戦争なんかに関わるべきじゃない。美炎ちゃんの戦いは……」
「うん。分かってる。わたしは、コヒメを守るために戦う。そのために、今は戻る。それでそこから、コヒメが大丈夫だって説明するから! 分からないことだって、諦めたくない」
「うん。きっと、コヒメちゃんが私たちとの懸け橋になれば、それこそヤマタノオロチ……ううん。ツクヨミとの共存だって出来るかもしれない」
「その未来は……きっと、煉獄さんだって望んでいるはずだよね」
やがて二人の刀使は、どちらともなく、拳を突き出す。
握った拳。それを突き合わせる。
それはまさに、可奈美にとって全ての始まり。岐阜羽島駅の改札口で美炎と交わした約束そのものだった。
「じゃあ、戻るね。可奈美」
「うん……」
「あ、でもわたし、もう参加者じゃないから……見滝原を行き来できるようになったんだよ。だから、助けが必要だったらいつでも呼んで!」
「うん……! わかった! がんばる! あと、帰ったらまたやろうね、立ち合い!」
「……っ! うん……! あ、じゃあもう一回、再戦の約束、しよう!」
美炎の言葉に、可奈美は笑顔を見せる。
「うん! 約束!」
可奈美のその声に力がこもる。
「今度、また試合しようね!」
やがて、発車時間となる。
車両の窓から手を振るコヒメ、美炎。お辞儀を返す清香。
ハルトの前で、可奈美が走っていく。
「必ずだからね! 絶対、また、試合しようね!」
「うん! 約束したからね!」
窓を開けて、美炎も手を振る。
やがてホームが途切れても、可奈美は電車が見えなくなるまで、手を振り続けていた。
ヤマタノオロチの封印跡地。
そこに、帽子の青年は訪れていた。
「へえ……ここが、例の怪物がいた……」
ソラ。
ハルトと因縁浅からぬ彼は、ぐるりと地下空間を見渡す。
マグマがあった箇所も完全に冷めきっており、人智の及ばない深さのそこには、すでに明かりもない。ファントムの体でもなければ、きっと何も見えなかっただろう。
目的地は一つだけ。
修復された社と、その底にある、今はただの古井戸の形をしたそこへ、ソラは足を近づけた。
『君はなぜここに来たんだい?』
「いいじゃん。折角君のお友達から、こんなのもらっちゃったんだから」
ソラはそう言いながら、手にした黒いそれを手玉する。
懐中時計を思わせる、手のひらサイズの黒い機械。かつてハルトが、アサシンのマスターと戦った時も重要なアイテムとなったものと同種である。
『モノクマか……彼はどうやら、君を好いているようだ』
「嬉しいね。でも生憎。僕は聖杯戦争に参加するつもりはないんだ」
ソラはそう言いな
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