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ドリトル先生とめでたい幽霊
第八幕その二

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「方言も違うんだよ」
「摂津と河内、和泉で」
「三国それぞれの方言がある」
「そうだったね」
「そうだよ、それでね」
 さらにお話する先生でした。
「織田作さんの作品ではね」
「大阪市の言葉だね」
「摂津の方の」
「それなのね」
「うん、吉本興業だと河内弁だね」 
 この事務所のタレントさん達の言葉はというのです。
「大阪市かというと」
「少し違うんだ」
「摂津の言葉じゃないのね」
「そうなんだね」
「うん、あまり違わないけれど」 
 それでもというのです。
「違うね、松竹芸能の言葉はね」
「摂津?」
「大阪市?」
「そっちなの」
「あちらは歌舞伎も扱っているから」 
 このこともあってというのです。
「だからね」
「上方歌舞伎ってあるしね」
「まさに大坂が舞台の」
「京都のものもあって」
「大坂のものもね」
「それでだよ」
 まさにその為にというのです。
「あちらの事務所はそちらかな」
「そうなのね」
「同じ大阪の事務所でも言葉が違うんだ」
「吉本興業と松竹芸能だと」
「それはそれで」
「あのなんばグランド花月の辺りは織田作さんもよく行ってたよ」
 その吉本興業の場所はです。
「傍にいずも屋もあるしね」
「あっ、確かにね」
「もう目と鼻の先だね」
「織田作さんのあのお店と」
「そうだよね」
「それでよく行っていて吉本興業のタレントさんも見られるけれど」
 ここで、でした。 
 天麩羅が焼き上がりました、先生は早速それを受け取ってです。
 皆と一緒に食べます、そうして言いました。
「織田作さんの頃はあんなに凄い事務所じゃなかったからね」
「織田作さんもあそこに通っていたか」
「それはだね」
「よくわからないんだね」
「うん、ただあの辺りにはよく通っていたよ」
 このことは間違いないというのです。
「あの人もね」
「成程ね」
「このごぼ天は織田作さんの作品に出ていて」
「それで織田作さんの作品の言葉は大阪市の言葉で」
「それで芸能事務所によって言葉も違う」
「摂津、河内、和泉でも」
「そうだよ」 
 こうお話してでした。
 先生は皆とごぼ天や生姜の天麩羅といった練られた天麩羅を食べてそうして商店街の中に入りますと。
 道は細くてしかもです。
 アーケード街の中に沢山のお店が並んでいます、そのお店を見て皆言いました。
「何か凄くない?」
「鶴橋みたいに昔を感じるよ」
「昭和っていうかね」
「その懐かしさを感じるよね」
「そうだよ、ここはそうした場所なんだ」
 先生も笑顔でお話します。
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