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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
馬鹿にするやつは許さない話
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思いがあるのなら、尚更だ。
「ぐお…っ!!」
ありったけの攻撃をくらい、以蔵は地面にどさりと落ちる。
ボロボロにやられた彼は、もう動かない。
「以蔵!!」
マスターが僕らのことも気にせず、彼の元へと駆け寄った。
「まだじゃ…まだ…終わっとらん…!!」
「ああ、そうだ…まだ終わってない!私達はここで…終わってなんかいられない!!」
肩を組み、なんとか以蔵を立ち上がらせるマスター。
どう見ても以蔵は満身創痍。戦える力なんて残ってないはず。
何が彼らをここまでさせるのか?
「まだやんのかい?そのつもりなら次は勢い余って殺しちまうかもだ。」
「はっ、絵描き如きが…天才のわしにかなうか…。」
実際勝ってしまってはいるが。以蔵はまだ負けていないつもりたのだろうか。
「わしは天才…わしは剣の天才じゃア!!そんなわしが…絵描きと”三流英霊”の武器を使うけったいな阿呆に負けてたまるかァ!!!」
…。
こいつ、今、
なんて言った?
「…。」
「マイ…?」
立ち上がる。
痛みは…もうない。
傷口からは弾丸が零れ落ち、しゅうしゅうと音を立てながら塞がっていく。
頬に感じるは、風。
そよ風程度のそれは次第に強くなり。
「以蔵!これは!?」
暴風とも呼べるそれは僕の周囲に吹き荒れる。
「岡田以蔵…今、なんて言ったんだ。」
「な、何がじゃ!!けったいな阿呆っちゅうのが余程頭に来たんか!?ええ!?」
違う、そこじゃない。
別に僕がけったいでも阿呆でも心底どうでもいい。
問題はその前だ。
「”これ”が、何だって?」
拾い上げたのは馬上槍。
ライダーの彼が使うそれだ。
「それがなんじゃ!そんな三流英霊の武器でわしを倒せるわけが」
「以蔵!!やめろ!!!」
マスターが何かに気付く。
けど、もう遅い。
言うならば以蔵は、とうに地雷を踏み抜いているのだから。
「馬鹿に…したな?僕の大事な人を…!」
確かに彼は弱いかもしれない。
他の英霊より、武芸に秀でていないかもしれない。
天才でもなければ無双の強さも誇らない。
だったとしても彼は、
僕を救った最高の騎士だ。
「マイ!!もういい!!おれがやる!!」
「…いあ、いあ、」
お栄ちゃんが止めようとするけど、やめない。
馬上槍を手放す。それは風の力でふわりとその場に留まる。
風を集める。
槍に集中させる。
狙うは一点。岡田以蔵。
「…行け。」
圧縮された風と共に、馬上槍は信じられない速さで発射される。
以蔵はそれを自慢の剣術でなんとかしてやろうと思ったんだろう。
しかしその驕りが間違いだ。
たかが人間。たかが三流英霊の武器。
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