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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
馬鹿にするやつは許さない話
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崩壊させた。


それから、
様々な困難と対面しつつもお栄ちゃんと乗り切り、あいつの魔の手に堕ちかけたお栄ちゃんを救ったり、仲間達と協力して街で起こり続ける怪事件を解決したりしていた。

そうしてそんな物語が、終焉を迎えつつある時のこと、


「えへへ…ボクってば、相変わらず弱いなぁ。」
「…うそだ…。」

全ての元凶、『這いよる混沌』との戦いで、彼は命を落とすことになる。

やられそうになった僕を突き飛ばし、彼は僕の代わりにその胸を貫かれた。

「なんだ、かばったのか。つまらない。」

燃える三つ目で見下ろしながら、巨大な影の『這いよる混沌』がそう言いながら触手を抜く。
支えを失った彼は力無く倒れるも、ギリギリのところで僕が受け止めた。

「そんな…どうして…!!」
「前にも、言ったろう?お姫様をたすけるのは…きしとして、とうぜんの…」
「もういい!!喋らなくていいよ!!」

致命傷を受けたのは確か。
霊核だって確実に砕かれている。
焦りながらもペンを手に取り、修復しようとするももう遅かった。

「僕の…僕のせいだ…!!」
「舞くん…。」

涙が止まらない。
あんなに鬱陶しくて、邪魔で、早くどっか行って欲しかった人なのに、
それなのに、いざ居なくなるとしたらどうしてこんなに悲しいんだろう。寂しいんだろう。
こんなに胸が締め付けられて、痛くなるんだろう。

「キミは、悪くない。」
「…。」
「自分を責めたりしないで、キミは、キミらしく。」

座への返還が始まった。
足先から光の粒子となって消えてゆくも、彼は必死に言葉を紡いで僕に何かを伝えようとする。

「ダメだ!死んじゃダメだ!!全員で勝って帰ろうって約束したじゃないか!!」
「ごめん…約束守れなかったね。」
「そうだよ!!しようよデート!女装デートしよう!!二人で女の子の格好して、たくさん遊ぶんだ!!お栄ちゃんだってきっと喜ぶよ!!」
「…。」

彼の手が、僕の頬に添えられる。
その指先が涙を拭い、彼は笑ってみせた。

「ごめんね、舞くん。」
「…うそだ。どうして…なんで…っ!!」
「でも…ボクの最後の約束、聞いて欲しいな。」

消えゆく直前、彼は僕にこう言った。

「勝てよ、絶対に。這いよる混沌にも、キミの兄貴にも勝って、自分らしく自由に生きるんだ。」

その言葉は今でも僕の心に残っている。
だから僕は、自分らしく、そして自由に生きることを選択した。

「はははっ、死んだねぇ。彼はああ言っていたが要は君のせいだよ。黄衣の王。」
「…うるさい。」

立ち上がり、僕は『這いよる混沌』を睨みつける。

「…お栄ちゃん。絶対倒そう。」
「おう。あいつの為にもだ。弱音は吐いてら
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