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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
かくしてアイドル対決は、阻まれる(後編@)
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を触った手を見れば、血。
それを見るなり彼女は笑った。
「私、怪我したんだぁ…。」
「だからなに?」
攻撃が止まる。
「今の私…すっごくかわいそう?かわいそうじゃない?ねぇ?」
「どの面下げて、可哀想って言えるんだよ!!」
葵はその隙を逃さない。
顔の前に両腕を持ってくるボクシングスタイルをとると、そのまま一気に急接近する。
攻撃するのなら今がチャンス。
なにか来る前にその腹に一撃を叩き込んでやる。
そう思い、女性だろうが関係なくボディブローをぶちこんだ。
「え…。」
動揺する葵。
だって無理もない。
相手は、真誉は見えていたにもかかわらず信じられないくらいに無抵抗で、何もしなかったのだ。
葵の接近速度は速いが、なんらかの対処法は取れたはずだ。
なのによけもせず、防ぎもせず、
手についた血を眺めて笑ったまま、彼女は攻撃を受けた。
「…ッ!」
なにか来る。
そう思い咄嗟に身を引いたものの、彼女は何もしない、
ただゆっくりと顔を上げ…。
「ああ、かわいそう。殴られた私は本当にかわいそうだね。」
ただ自分に対してかわいそう、かわいそうと微笑みながら呟くだけだった。
「今だっ!」
しかし、彼女が受けたダメージは確か。
そのせいでチェルノボーグの動きが少しだけ鈍り、隙が生まれた。
ソフィーはそれを逃さず、そこに全力を叩き込む。
「夢想…封印ッ!!」
彼女が唱えたのは、幻想郷にて数多の妖怪や神を撃退した必殺のスペル。
周囲に色とりどりの球が浮かび、それらが立て続けにチェルノボーグへと殺到する。
着弾するなり大爆発を起こし、立て続けに大ダメージを与えられたチェルノボーグは体を維持することが難しくなったのか、膝をつき、ドロドロと溶けていく。
「これは効いたみたいだね…さぁ!次は君の番だ!!」
「へぇ…そうやって私をいじめるんだ。」
御札を持つソフィー。
対する真誉もまた、その手に御札を持っていた。
「いじめる?いいや違うね。虐めているというのならキミの方だ。魂を屍に縛り付けていることも、それらを使い人々を恐怖させているのも、どれもがキミが起こしたいじめだ。」
いじめられている。
そう言った真誉にソフィーは容赦なく反論する。
「さっきからかわいそうとかいじめられてるとか、自分で言って恥ずかしくないのか!キミがどういった境遇だったかは知らない!ただ、この世界が崩壊してからキミと同じくらい…いや、それ以上に可哀想で辛い思いをしてきた人が沢山いる!君だけが悲劇のヒロインだとは思わないことだ!!!」
立て続けに反論をぶち込むソフィー。
熱心に語る彼女の目は、まぎれもなく本物であった。
それを見て葵は、瞬時に理
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