第四百八十九話 それぞれの世界を越えて〜絆を結ぶブイヤベース〜その十七
[8]前話 [2]次話
「最早ね」
「そうなのか」
「人間の身体であっても」
「心が化け物か」
「そうなっているからね」
既にというのだ。
「あれ以上存在を許してはいけなかったんだ」
「本物の化け物で邪悪だな」
叡山も流石に真剣な顔であった。
「俺も悪いことはしているがな」
「正直遥かにましやな」
ジョーカーが叡山に答えた。
「自分は」
「そうですか」
「鳳鳴さんの親父とかファヴとかエンブリヲとかはな」
「クラムベリーもですね」
「自分は人間や」
叡山はというのだ。
「あくまでな」
「それで他の連中はですね」
「そや」
まさにというのだ。
「化け物や」
「人間でなくて」
「本物のそれや、智樹君のとこのマスターもそうやったがな」
「よく許せたわね」
マァムは智樹を素直に称賛した。
「あんなのを」
「まあ全部戻るんならいいかなって」
智樹は普通の等身で答えた。
「思ってます」
「そうなのね」
「はい、俺は」
「私だったら生かしていなかったわ」
マァムは確信を持って語った。
「本当にね」
「そうですか」
「他の奴もだけれどそのマスターもね」
「俺もだ」
明光院も言ってきた。
「その場で殺していた」
「明光院さんもですか」
「あいつが何をしてきた」
マスターと呼ばれる者がというのだ。
「それを考えるとな」
「許せなくて、ですか」
「その場でだ」
まさにというのだ。
「そうしていた」
「そうでしたか」
「下の世界に来いとはな」
智樹の様にというのだ。
「言うことはな」
「出来ないですか」
「そんなの言えるって相当だぞ」
ポップも真顔で言ってきた。
「俺だってな、イカロスちゃんやニンフちゃんにしたこと聞いたらな」
「許せないで、ですか」
「ああ、あそこに乗り込んだらな」
その時はというのだ。
「本気で叩き潰していたぜ」
「あの、本当に君凄いよ」
チュウも本気であった。
「あんな奴にそう言って済ませたなんてね」
「いやあ、本当に今もだよ」
「そうした考えなんだ」
「あの時もそうでな」
「どうしたらそう言えるか」
チュウは腕を組んで考える顔で述べた。
「わからないよ」
「どうしようもないスケベだが」
加賀も言うことだった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ