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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
逆恨-リベンジ-
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提案を話し始める。
「俺専用の義手だと?」
「ええ。実は既に何人もの隊員が付けているのですが…皆貧弱というか軟弱というか…そもそもその義手を付ける最低条件として並外れた根性と胆力が必要でして…。」
「なるほど、ということで今の若者にはない根性と胆力を兼ね備えた俺が必要だと言うことだな?」
「そうです。お話が早くて助かります。」
提案したのは義手。
それも丹下が作った特注の特注だ。
隊員が付けたと言ってはいるが、実は嘘。
付けさせたのは捕らえたマスター達。もとい実験台だ。
「フフ…うずうずしているのでしょう?聞きましたよ。元部下に痛い目を見せられたそうですねぇ。」
「ぐ…。」
今まで通りなら、このようなトゲのある言い方をした丹下に殴りかかっていた山本だろうが、あいにく今は腕がない。
はめられた義手も、まだ馴染まず言うことを聞いてくれないのでまともに動かすことすら出来ず、ただ歯を噛み締めるのみだった。
「しかし今度はこちらの番だ。相手が化け物じみているのならば、こちらも化け物になればいい。この義手を…サーヴァントの腕から作られたこの義手があれば…あなたは竜胆大和を簡単にひねり潰せる…!」
そう言い、丹下は山本にジュラルミンケースを見せ、中身を開く。
そこに納められていたのは2本の腕。
見た目は完全に人の腕だ。義手だと言わなければ思わず見間違えてしまうだろう。
そして、そんなものを見せられれば山本は、
「くれ!今すぐに寄越せ!!俺には竜胆を潰さねばならない義務があるのだ!!」
身を乗り出し、手は動かないのでそれを取るために義手に噛み付こうとする。
「おやおやそう慌てず。何はともあれあなたに渡すつもりで来たのでご安心を。」
「本当か!なら勿体ぶらずすぐに寄越せ!!道具は使われてこそ意味のあるものなんだぞ!技術顧問!!」
「はいはいそうですね。」
1度それをジュラルミンケースに戻し、丹下はにっこりと笑う。
「ではまず臨床実験から…こちらは試作品ではありますが凄まじい痛みですので危険を感じたらすぐに知らせ…」
「そんなものはいい!たらたらとめんどくさい事をやっていられるか!今すぐ本物の義手を付けろ!!」
「そうですか。それは失礼いたしました。」
と、その場で義手をつけるため奥から丹下の部下であろう男達がやってくる。
実はこの丹下という男、ああは言っているが臨床実験なぞさせるつもりはなかった。
最初からぶっつけ本番、この英霊の義手をつけさせる気だった。
奥からやってきた部下の研究員も最初から外で待機させていた。
彼の性格を見越してのことだった。
(ったく…単細胞ほど分かりやすいものはいねぇなァ。てめぇは俺の体のいい実験体なんだよドチンカスが。)
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