第二章
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「どうしたものか」
「でしたら」
「それならか」
「はい、私は実は酒は強くて」
「そうなのか」
「特にワインが好きで」
「マルコも同じだ」
オウロッシュはサイタにまさにと答えた。
「それでだ」
「毎晩ですね」
「ワインを浴びる様に飲んでいる」
「それをどうにかしたいのですな」
「そうだ、どうしたものか」
「では私が王子と飲み比べて勝ったらせめて飲まない日も置くと」
サイタは彼に申し出た。
「その様にです」
「するか」
「それでどうでしょうか」
「しかしあの者は酒も強い」
「武勇に加えて」
「そうだ、あの者に勝てるのか」
酒でというのだ。
「そなたは」
「自信があると言えば」
「頼む、あの者は誓った約束は守る」
「そうした方ですね」
「ではあの者に勝ってだ」
飲み比べでというのだ。
「そしてだ」
「飲まない日もですね」
「もうけてもらおう、飲まない日もあるとな」
「いいですね」
「毎晩飲むと流石に心配だ」
それも酔い潰れるまでというのだ。
「だからな」
「それでは」
サイタは頷きそうしてだった。
マルコと合い彼に飲み合いを提案し自分が勝った時には一週間に二日は飲まない日をもうけてもらうことを申し出た、すると。
マルコは笑ってだった、彼に話した。
「いいだろう、だが私は武勇だけではないぞ」
「お酒のこともですね」
「そうだ、かなりのものだぞ」
「それを承知してのことです」
サイタはマルコに確かな声で答えた。
「マルコ様は今は毎晩大酒を飲まれていて」
「酔い潰れるまでだな」
「それは流石に身体に悪いので」
だからだというのだ。
「この度そうして頂きたくです」
「私に勝負を申し出るのだな」
「左様です、マルコ様が勝てば何もなしで」
「そなたが勝てばだな」
「その時はそれで宜しいでしょうか」
「わかった」
マルコはサイタに笑顔で頷いて答えた。
「それではな」
「その様にお願いします」
「そういうことでな」
こう話してだった。
二人はその夜飲み合いに入った、肴にソーセージやチーズを置いてだった。
二人は飲み合った、マルコの飲む勢いは相当だったが。
「サイタも負けていないな」
「左様ですね」
「言うだけはあります」
「まるで底なしです」
「水の様に飲んでおります」
「うむ、だがマルコも相変わらずだ」
オウロッシュは二人の勝負を観つつ周りの者達に話した。
「飲む勢いは凄まじい」
「左様ですね」
「まさに五分と五分です」
「どちらが勝たれても不思議ではありません」
「この勝負どうなるか」
「予断を許しません」
「ここは見守ろう」
こう言ってだった。
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