第二章
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「そんなことしないわ」
「他に赤子を生贄に出すとか」
「そんな話もありますね」
「攫って殺すだの」
「疫病で殺すだの」
「そんなこともしないわよ」
ケレマンはこのことも否定した。
「一切ね」
「左様ですね」
「そうしたこともしないですね」
「赤子を殺すなぞ」
「そんなことも」
「それと名前を答えても」
そうしてもというのだ。
「お宝はあげないわよ」
「お菓子ですね」
「チョコレート等ですね」
「キャンディーやクッキーですね」
「そうしたものですね」
「お宝をほいほいあげられるだけお金持ちじゃないわよ」
このことも言うのだった。
「私はね」
「何か魔女はお金持ちとも」
「財宝が隠されている場所を知っているとも」
「そう言われていますが」
「それもないですね」
「ないわよ、魔女を何だと思ってるのよ」
ケレマンは遂に怒って言った。
「万能の神様か魔王様とでも思ってるのかしら」
「そうかも知れないですね」
「ご主人様にそう言っていて」
「他の魔女の方にもですから」
「そんなに財産あったら苦労しないわよ」
むっとした顔になって話した。
「何かとね」
「あちこちのお家の維持費も馬鹿になりませんし」
「薬の素材を集めるにもお金がいります」
「それに生活費も」
「また住民税も納めていますし」
「魔女だって暮らしているから」
それも人間の世界にである。
「表向きの名前でね」
「それならばです」
「税金や生活費が必要です」
「薬や錬金術で生み出したものを売っていますが」
「中々苦労していますね」
「そうよ、旦那の稼ぎもあるけれど」
家庭のことも話した。
「子供達の養育費もあるしね」
「あと魔女でもキリスト教徒ですし」
「教会への寄付もしています」
「そちらも必要ですし」
「お金のことは」
「そんなお宝を名前を答えただけであげるとかね」
そうしたことをするまでにはというのだ。
「ある筈ないわよ」
「誤解も甚だしいですね」
「全く以て」
「人を食べるとか」
「お宝を軽くあげられるとか」
「そんな筈ないわよ、私を何と思っているのかしら」
ケレマンは腕を組んで怒った顔で言った。
「本当にね。サバトで乱交しているとかいう話もあったわね」
「悪魔とですね」
「魔女は誰でもそうだと」
「そうも言われていますね」
「悪魔と付き合いあることは確かだけれど不倫はしてないわよ」
乱交どころかというのだ、ケレマンはこのことについても怒った顔になってそのうえで言うのだった。
「誰ともね」
「そうですね」
「それに天使とも付き合いがあります」
「魔術によって」
「それが現実ですから」
「色々誤解があるわね」
自分そして魔女にという
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