第三章
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二次大戦は連合国の勝利に終わり枢軸国側にいたフィンランドは敗戦国となった、それでドイツや日本程ではないが責任も問われた。
その後でだ、カタヤイネンはその話を聞いて目を丸くさせた。
「バファローを造った会社がか」
「ああ、ブルースター社がな」
友人は驚くその彼に答えた。
「潰れたらしい」
「そうなったんだな」
「色々言われてな」
「色々?」
「経営者が悪いとかあれこれ言われてな」
そうしてというのだ。
「潰れたらしいぜ」
「あんないい戦闘機造った会社なのにな」
「どうも逆にな」
友人はカタヤイネンに答えた。
「あのな」
「バファローがか」
「あれを造ったのが大きかったらしいな」
「そうなんだな」
「あれが随分不評でな」
アメリカ海軍そして海兵隊にというのだ。
「日本軍の零戦にばたばた落とされてだよ」
「そのせいでか」
「全然役に立たなかったで」
「大きかったんだな」
「役に立たない戦闘機を造る会社はいらない」
友人はこうも言った。
「そう判断されてな」
「潰れたか」
「そうらしいな」
「何処が悪いんだ」
カタヤイネンは首を捻って述べた。
「本当にな」
「バファローはいい戦闘機だったな」
「あんないい戦闘機造ってくれて有り難うってな」
「俺達は思うがな」
「それがだ」
友人は話した。
「残念ながらな」
「アメリカさんとしてはか」
「そうみなされてな」
「造った会社が潰れたか」
「そうなったぜ」
「わからないな、本当に」
カタヤイネンは首を傾げさせるばかりだった。
「あんないい戦闘機造ってくれたのに」
「俺達にしてはな」
「それがアメリカさんとしてはか」
「そうさ、まあ兎に角な」
「ああ、バファローを造った会社は潰れた」
「そうなったぜ」
カタヤイネンにあらためて話した、カタヤイネンもそれを聞き。
基地に残っているバファローを見た、戦争が終わった今もう飛ぶことはないが。
彼はその機に有り難うな、と言った。返事はないが感謝の気持ちを告げた。そうしてその場を後にした。
そのうえでだ、彼は夜に友人と一緒に飲みつつ言った。
「俺達にとってはいい戦闘機だった、そのことはな」
「ああ、嘘じゃないからな」
「そういうことでな」
「言っていけばいいな」
「そうだよな」
一緒に話した、そうしてだった。
ウォッカを飲んだ、そしてそのウォッカを心の中でバファローとブルースター社に捧げた。いい機体であったことそしていい機体をくれて有り難うと。
バファローはアメリカ軍では不評だったがフィンランド軍では好評だった、場所と相手が違えば活躍するということであろうか。同じ戦争で起こった話である、そう思うと非常に面白いことであろうか。二次大
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