第一章
[2]次話
バファロー
ブルースター社が開発の権利を受け取った、だが。
アメリ海軍の者は社の者にこう言った。
「もう複葉機の時代ではない」
「だからですか」
「単葉機ですか」
「それが条件ですか」
「そして空母に搭載出来てだ」
海軍の者はさらに言った。
「かつ折り畳める翼だ」
「空母に載せるので」
「それで、ですか」
「それも条件ですか」
「開発の」
「それだけではない」
要求は続いた。
「引き込み脚だ」
「脚はですか」
「そうしますか」
「引き込める様にし」
「常に出さない様にしますか」
「脚は飛ぶ時にない方が速度が出る」
空気抵抗が少なくだ。
「だからだ」
「それでなのですか」
「脚は引き込み式」
「その様にしますか」
「そしてだ」
まだ言うのだった。
「コクピットは密閉式だ」
「風が入らない」
「そこでも空気抵抗を抑え」
「そして速度を速めますか」
「そうするのだ」
海軍の者は強く要求した、それを受けてだった。
ブルースター社側はその新型の艦上戦闘機の開発に入った、だが。
それは非常に難航した、海軍側の要求があまりにも彼等にとって難易度が高いものであったからである。
「参ったな」
「海軍も凄いことを言ってきたな」
「単葉機でか」
それでというのだ。
「折り畳み翼でか」
「脚は引き込み式」
「しかもコクピットは密閉か」
「色々言ってくれたな」
「こんなの全部適えられるか」
「しかし適えないと仕事にならない」
「造っても買ってくれない」
そうなるというのだ。
「そうなったら会社は終わりだ」
「折角ここまで大きくなったのに」
「そうなるからな」
「何とか造るか」
「言われた通りのものを」
「そうするか」
こう話してだった。
彼等は要求通りに必死に開発していった、何とかだった。
海軍の要求通りにその戦闘機を造った、戦闘機はF2Aバファローと名付けられ海軍そして海兵隊に採用された。
そのうえで実戦配備された、その頃アメリカは。
日本との関係が悪化していた、そしてだった。
遂に開戦となった、日本軍は海軍の零式艦上戦闘機を主力にしていた。その零戦を観てだった。
アメリカ海軍の者達は眉を曇らせて話した。
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