第六章
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そのバレエも観てだった、美酒も楽しみ最高のもてなしを受けた。それで誰もが喜んで城を後にしたが。
王はパリに帰るとすぐに周りに命じた。
「フーケの罪を洗い出せ、そして捕らえるのだ」
「汚職を働いていることは間違いない」
「だからですね」
「そうだ、そしてだ」
王はさらに言った。
「遷都だ」
「えっ、遷都ですか」
「このパリからか」
「そうされますか」
「ベルサイユにだ、そしてあの場所にだ」
そのベルサイユにというのだ。
「宮殿を建てる、この世で最も素晴らしいな」
「そうされるのですか」
「遷都をされて」
「ベルサイユに宮殿を建てられますか」
「この世にかつてないまでの」
「余は王だ」
王の言葉は強かった、何よりも。
「その余がこの国の誰にも劣っていいのか」
「それはなりません」
「王は至高の方です」
「神よりフランスの統治を任された方です」
「まさにフランスの主です」
「その余が住む場所もだ」
これもというのだ。
「粗末なものであってはならない」
「だからですか」
「この世にないまでのものとされますか」
「そうされるのですか」
「予算はある」
その心配はないというのだ。
「そして人も集める」
「建てる為に」
「そうされますか」
「人もそうしますか」
「これ以上はないまでの人材を揃えてな」
そうしてというのだ。
「内装も整え庭もだ」
「そうされますか」
「この世にないまでに」
「そこまでされますか」
「そしてだ」
王はさらに言った。
「料理も酒も芸術品もだ」
「全て揃える」
「この世にないまでのものを」
「そうされますか」
「余だけが建てることが出来てだ」
王である自分のみがというのだ。
「主であるこの世にないまでのものを全て整える」
「そうした宮殿ですか」
「ベルサイユにそれを建てられ」
「そこに住まれるのですね」
「これから」
「そうだ、バレエも最高のものにして」
やはりこれ以上はないまでのものにするというのだ。
「欧州の誰もが住めない場所にするぞ、そしてフーケはな」
「捕らえる」
「そうしますか」
「大蔵卿については」
「だから徹底的に調べ上げるのだ」
彼のことはというのだ。
「そして捕らえる、あの城は閉鎖するのだ」
「あの城はそうしますか」
「大蔵卿は捕らえ」
「そうされるのですか」
「この国で余に次ぐ者、余が持てても既に持っているものはいらぬ」
王はここでも強く言った。
「余は王であるからな」
「わかりました、では」
「その様にします」
「あの城についても」
「しかとな」
こう言ってだった。
王はフーケを捕らえさせ裁判にかけて取り調べがあったが強引に永牢にした、そしてベル
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