第四章
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「シャルル=ルブランのものか」
「これまた高名な人物ではないか」
「画家として知らぬ者はいないぞ」
「あの者も絵も飾るとは」
「これはまた」
「いい品だな」
王はふと目の前にあった壺を観て述べた。
「こうしてただ飾られているものでも」
「これは確かに」
骨董品の目利きとして有名な者が応えた。
「かなりのものです」
「そうだな」
「そして他の品もです」
「一つ一つがだな」
「かなりのものです」
「そうだな、宝石も多い」
こちらもいいというのだ、城の中にあるそれも。
「多いだけでない」
「こちらの質もいいですな」
「庭もよかったですが」
「城の中もそうであり」
「絵も骨董品も宝石もです」
「実に見事なものです」
「これだけの贅を尽くせるとはな」
心からだ、王は思った。
「フーケの富と権勢は恐ろしいまでだな」
「欧州の何処を探してもないまえに」
「そこまでのものですね」
「ここまでいきますと」
「全くだ」
王はまた唸った、そうして書斎に案内されたが。
その書斎は広く置かれている書はというと。
「いい紙の質だ」
「しかも奇書が異様に多い」
「この書をここで見るとはな」
フランスで探し求める者が多い伝説の書があった。
「思わなかった」
「これは歴史書だ」
「科学の書もある」
「様々な書を置いているか」
「こちらもかなりの金がかかっているな」
「全くだ」
「これもまた富と権勢故だ」
高いしかも宝の様に貴重が多くの書を見てだ、王は書斎でも述べた。
「それ故だ」
「左様ですね」
「ここにも大蔵卿のそうしたものが出ています」
「まさに」
「書までそうするとはな」
王はさらに言った。
「凄いものだ」
「全くです」
「書までとは」
「庭や城、内装だけではないですか」
「こうしたものまで揃えますか」
「大蔵卿は何処まで権勢を見せるのか」
「富まで」
「宴はまだだが」
それでもと言うのだった。
「ここまでとはな」
「思いませんでした」
「全く以て」
「これでまだ宴がはじまっていないとは」
「恐ろしいものです」
「そうだな」
王の目にある暗いものがさらに深まった、そして。
その宴に入った、すると。
「何という燭台の多さか」
「場の絢爛さか」
「しかも部屋にあるもの全てが実によいです」
「きらきらとしてさえいます」
「食器もまた」
貴族のものなので銀製であるが。
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