第二章
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「次の勝負であんたが勝ったらな」
「わしの勝ちだな」
「それでいこう」
「わかった、じゃあそれでいこう」
幸四郎は団十郎の申し出に頷いた、そのうえで彼に応えた。
「まずはな」
「よし、じゃあ団子と茶を楽しんだらな」
「銭を払ってだな」
「化け比べをはじめよう」
この勝負をというのだ。
「いいな、わしはまずは化ける為にあっちに行くぞ」
「わかった、じゃあわしは奥女中に化けて待っておくな」
「銭を払ってだな」
「ああ、そうしてな」
二匹共団子と茶のそれは忘れていない、そうした話をしてだった。
彼等はそれぞれの準備に入った、団十郎はあちらに行きそして狐は奥女中に化けて彼が化けた行列が来るのを待った。
すると暫くして大名行列が来た、加賀藩の藩主のものらしくその行列は多くかつ豪華なものであった。
その行列を見てだ、幸四郎は駕籠のところに来て言った。
「やるな、お前さんは凄い。わしも負けていられないな」
「待て、何が負けていられないのじゃ」
幸四郎の言葉に駕籠の傍にいた武士が問うた。
「お主奥女中の様だが」
「この様な場所に何故奥女中がおる」
「城におる時の服ではないか」
「しかも見たことのない顔」
「お主何者だ」
他の武士達もいぶかしんで言った。
「妙な奥女中じゃな」
「それで何に負けていられないのじゃ」
「言うてみよ、そもそも無礼であろう」
「これは殿のお駕籠であるぞ」
「?わしだ狐だ」
幸四郎は武士達の言葉に驚いた顔になって言い返した。
「さっき勝負をすると言ったであろう」
「知らん、わし等がどうして勝負をする」
「狐なら化け比べであろうがわし等はその様なことはせぬ」
「武士は武術で勝負をするもの」
「若しくは学問だ」
「そもそも殿に働いた無礼許せぬ」
「待て、追い払うだけでよい」
ここで駕籠から藩主が顔を出して言ってきた。
「狐一匹で騒ぐでない」
「これは殿」
「お騒がせしました」
「この奥女中に化けた狐が訳のわからぬことを言いまして」
「それでつい」
「訳のわからぬ狐の相手なぞしても何もならぬ」
藩主前田綱紀は何でもないといった顔で言った。見れば面長でかつ強い光の目のしっかりとした顔立ちの男だ。
「追い払うだけでよい」
「わかりました、聞いたな」
「何かわからぬが我等はお主との勝負なぞ知らぬ」
「殿もそう言われてるであろう」
「わかったら帰れ」
「わかったな」
「どういうことなんだ」
幸四郎は狐だが狐に摘ままれた顔になった、そうしてだった。
武士達にしっしと追い払われて藪の中に入って行列を見送った、そしてその後に団十郎は悠然と出て来たので彼の前に出て怒って言った。
「おい、こりゃどういうことだ」
「どういうこともお前さん
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