第一章
[2]次話
FOGGY RELATION
友達ではある、けれど。
彼氏かというとそうではない。私と彼の関係はそんなものだ。
高校と大学が一緒でその縁で就職先は別でも暮らしているアパートが近所同士で今も結構よく話をしている。
電話で話をしてお互い暇な時はだ。
それぞれの部屋に行ったり居酒屋で二人に入ってだ。
飲んで食べて世間話をしている、それで彼は今居酒屋で一緒に飲んでいる私に対して笑ってこう言ってきた。
「お互いこうして十年か」
「そうね、高校一年同じクラスになって」
私はビールを飲みつつ焼酎をロックで飲んでいる彼に応えた。
「三年一緒で」
「大学の学部も一緒でな」
「卒論のゼミまでね」
「腐れ縁だな」
「そうね、友達ね」
「そうだな、友達だな」
彼も納得して頷いた、そして焼き鳥を食べた。私の前にも焼き鳥がある。
「俺達は」
「そうね、けれど」
「けれど?」
「友達だけれど別にね」
「ああ、深いってことはな」
「ないわね」
「俺今彼女いないけれどな」
「私もよ」
一年位そうだ。
「今はね」
「そうだな、けれどな」
「私あんたと付き合いたいかっていうと」
「ないだろ」
「友達であって」
それでだ。
「彼氏かっていうと」
「そうだな、俺達知り合って長いにしても」
かれこれ十年になるけれどだ。
「キスとか手をつないだりな」
「何でするのよ」
「そうだよな」
「あんたとしようと思わないし」
「俺もな」
「お互いそうよね」
「そうだな、しかしな」
それにしてもというのだ。
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