第四章
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「いつも三塁側にいるけれどね」
「マツダスタジアムにも行くのよね」
「そうしてるのよね」
「本拠地でも応援してるわね」
「時間があったらね」
家のある神戸から広島までわざわざ言ってだ。
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんがあっちにいるから」
「一緒に応援して」
「それでよね」
「その時は一塁側ね」
「ええ、マツダスタジアムが一番だけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「甲子園は嫌いじゃなくて」
「よく言ってるし」
「悪い印象はないわよね」
「全然、阪神はいいチームよ」
千佳は真顔で言い切った。
「カープが一番でもね」
「お兄さんもそう言ってるのよね」
「マツダスタジアムも悪くないって言っていて」
「カープの悪口言わないのね」
「全くね、いいチームともね」
自分が言っている様にというのだ。
「言ってるわ」
「お互いそうなのね」
「だから言い合っても喧嘩にはならないのね」
「そこまでいかないのね」
「巨人じゃないし」
このことが兎に角大きかった、千佳も寿もこの世の悪徳を具現化した巨人にはこの上ない憎しみを抱いているのだ。
「それじゃあね」
「喧嘩する理由もない」
「応援するチームは違っても」
「巨人でないなら」
それならというのだ。
「私もお兄ちゃんも嫌わないしね」
「喧嘩もしない」
「言い合いまでね」
「それで終わるのね」
「ええ、ただ絶対にないけれど」
千佳はこう前置きしてこうも言った。
「私かお兄ちゃんが巨人ファンだったら」
「喧嘩になってるわね」
「それ私もわかるわ」
「そうだったらね」
「絶対にないけれどね」
千佳はまたこう言った。
「あの黒とオレンジ見るだけで腹立つから」
「そうよね」
「私達も想像出来ないから」
「千佳ちゃんかお兄さんが巨人ファンだとか」
「縦縞はいいのよ」
阪神のそれはというのだ。
「兎自体もね、ただあの兎は駄目よ」
「黒とオレンジの」
「あの兎はよね」
「あの兎だけは許せないから」
即ち巨人はというのだ。
「何があっても」
「そうよね」
「私達も巨人嫌いだしね」
「あのチームはね」
「本当に何があってもよ、だから今年も巨人負けろと思うわ」
怒った顔での言葉だった。
「私はね、けれど阪神は」
「嫌いじゃない」
「だからなのね」
「お兄さんともなのね」
「お互い言い合うけれど」
それでもというのだ。
「喧嘩までいかないのよ、じゃあ今年もね」
「カープ応援していくのね」
「そうするのね」
「試合を観て」
「そうしていくわ」
こう言ってだった。
千佳はクラスメイト達と話をしていった、話は野球から昨日のブイチューバーの話になった。そちらの話も弾んで楽
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