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絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 00 プロローグ ぽんこつアル重
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ラが落ち込んでいるのがわかってしまう・・・・




「え〜、違いますよぅ・・・・まぁ、違わなくもないですけどぉ・・・昨日はですねぇ、ポーラとってもと〜ってもいい事があったんですよぅ!」



 そんな言葉とは裏腹に、ポーラはナポリ統連合軍司令部や、フィレンツェの実家での生活に想いを馳せる


 確かに、あの群青とペパーミント・ブルーの織りなすサンタ・ルチアの海を眺めながらキャンティ・クラッシコを堪能する暮らしは堪らなく幸せな時間だった・・・・でも、本当は・・・モンテフィオラッレのワイナリーに引き籠り、サンジョヴェーゼの香りに包まれて余生を過ごすのがポーラの夢なのだが、それはザラの前では言わなかった



「・・・昨日?・・・・・・あぁ、アレの事?」


ザラの問いかけに、ポーラは我に返る。そう・・・・ここは日本なのだ


「そうなんですよぅ! やっぱりカス〜ゥミは違いますぅ! とってもいい動きをする極上の的なんですよぅ! ポーラとーーーーーーーっても楽しかったですぅ! 大満足ぅ!」


「そう・・・よかったわね・・・・・でも、あんまり霞ちゃんばかり狙ってると気付かれるかも知れないから気をつけなさい・・・・・・・・・・あ、そうそう!」


「?・・・どうかしたんですかぁ?」


「アレで思い出した。夕張さんがポーラの事呼んでたわよ。あとで工廠に来てって」


「?・・・なんでしょう???」


「なんでって・・・・昨日のテストの報告に決まってるでしょ! 上がったら、早く行くのよ!」


「は〜い・・・・・・・ザラ姉さま、今日はいつもよりちょっとだけ怒りっぽいです・・・なんででしょう?」


「いいから早くしなさい!」



「は〜い・・・・・・・また怒られてしまいました・・・」







(2021年12月7日 執筆)



某鎮守府地下工廠にて




 あれからポーラは、風呂上がりにワインガチャで引き当てたグランサッソの四本セットを全部開けてしまい、足元もおぼつかないまま夕張の元へ向かったのだが・・・



「・・・・・なんで来ないのよ、ポーラは!」



 またどこかで酔い潰れているのではと思い、近くを探しに行こうとした夕張だったが、工廠の扉を開けると、目の前でうつ伏して力尽きているポーラがいた



「・・・ほんっとに、どうしてこんなにだらしないのかしらポーラは?」



 流石にもう慣れたとはいえ、節制するという事をまるで知らないポーラに空いた口が塞がらなかった。一向に改善する様子はない


 聞いた話では、子供の頃はザラよりもしっかりしていたらしい(とても信じられないが)


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