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絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 00 プロローグ ぽんこつアル重
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あるのは明白であった。せっかくの長射程を有効に使えるのは弾着観測射撃を含めてたったの二発、となると、流石に僚艦から不誠実だと思われても無理からぬ事であった(因みに補強増設スロットにはワインボトルが差し込まれていた)


 極めつけは、彼女は演習にワインのボトルを持ち込んで、戦闘中にこっそり飲んでいた(みんなにはバレている)。仕舞いには酔い潰れて海上を漂うゴミと化すため、ポーラと組んだ艦娘たちは、戦闘終了後に《ゴミ》を曳航するという、余計な仕事が増える羽目になっていた


 気がつくと、ポーラと艦隊を組もうという艦娘が、ただの一人もいなくなっていた。なので某提督がポーラとの艦隊編成を強制的に決め、それに従うのがここ、某鎮守府のローカルルールの一つとなっていた


要するに、ポーラと組む事は、某鎮守府名物の【罰ゲーム】と化していたのである





(2021年11月30日 執筆)


 本日の演習も例に漏れず、ポーラの直撃弾は霞の武装、61p四連装(酸素)魚雷の発射管に被弾させたのみで、これといった戦果もなく終了した


そして最早某鎮守府の風物詩と化した、《ゴミ》の曳航で本演習は締めくくられた





「このクソ重巡! 何で酔い潰れてるのっ!? 普通にあり得ないから!!! ほんっと、冗談じゃないわっ!!!!」



 アルコールの匂いをぷんぷんさせた《生ゴミ》をアンカーでグルグル巻きに拘束し曳航する曙は、もう爆発寸前だった



「誰よっ!? この《粗大ゴミ》を日本に持って来たバカはっ!!!!!」


「クソって言っちゃだめだよ曙ちゃん、ちょっと怒りすぎ。お通じ悪くなっちゃうよ?」


本日の罰ゲームのもう一人の犠牲者、朧が曙をなだめていた


「だってコイツ重すぎっ!! 今日はアタシたち二人しかいないのよ! ・・・ったく、あり得ないわっ!!」


「・・・まぁ・・・重たいよね・・・何でこんなに重たいんだろ?」



 そう言いながら朧はポーラの大きく張り出した《バルジ》という名の胸部装甲に目をやる・・・・そして



そして今度は曙のささやかな地平とを見比べる




「・・・・曙ちゃんは、肩凝ったりしないよね?」


「・・・しないけど? 何で?」


「んーーー、何でもない・・・それより早くゴミ出ししてシャワー浴びようよ」


「うん、そーしよ。ところでコレ、産廃でいいのかしら?」


「・・・・多分」







(2021年12月2日 執筆)


 翌朝、バッカンを回収に来た産廃業者が、泥酔したまま投棄されていたポーラを発見した。危うく産廃処理されかかったポーラであった



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