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絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 00 プロローグ ぽんこつアル重
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目は、





ザラ級重巡ネームシップ、ザラ


並びに


ザラ級重巡三番艦、いや・・・・四番艦ポーラ・・・・




この二隻の最強重巡姉妹が、本年度より某鎮守府に配属されるという出来事であった







四つ目の出来事については、今は未だ触れない事にしておこう







 ザラの名声はここ日本においても聞こえており、戦艦並みの長射程と防御力、高い索敵能力と自力で制空を取れる汎用性・・・・


 第二改装を控えた身でありながら、既に世界最強の重巡洋艦の呼び声も高く、広く知られていた


 
 その一方で、妹のポーラの事は、日本では殆ど知られていなかった



 だが、あのザラの妹という事で、来日当初は重巡としてそれなりに期待されていた彼女であったが、実際組んでみると、戦果に及ぼすポーラの貢献度は何とも微妙であった


 最初の砲撃・・・最初の二発の命中率は非常に優れている。それはポーラと艦隊を組んだ経験のある者なら誰もが抱く印象であった

 と言っても、その最初の一発目は大抵の場合目標から大きく外れ、明後日の方向へ飛んで行く。しかもその着弾が、演習海域封鎖で巡回する哨戒艇であったり、ブイであったり、果ては射撃演習用のターゲットであったりと、とにかくまともな着弾が殆どなかった。とにかく《何か》に当たるという意味での命中率は群を抜いていた


だがこの着弾を、ただの無駄撃ちに終わらせないのがポーラだった


 ポーラの評価は、主に次の二発目の命中率に集約されていると言っていい。二発目に関して言えば、ポーラは必ずと言っていい程の命中率で敵前衛の駆逐艦に着弾させる。これは、某鎮守府では他に並ぶ者がない程で、弾着観測射撃に関しては稀有な才能と集中力を持つ艦娘・・・・それがポーラの評価の全てだった


 だが、三発目意向の砲撃はどんなに撃っても全く当たらない。それ故ポーラの二発目はただのまぐれ当たりか、集中力を持続出来ないヘタレだ、などと噂されており、それさえ気をつけていればあとは絶対に被弾しないという認識が、某鎮守府中の艦娘達の間で定着していた

 早い話が、ポーラは演習の度に必ず一発は当てるが、絶対に一発しか当てられなかったのである

 ポーラの艦隊における戦果への貢献度は、精々駆逐艦一隻撃沈程度で、それ以上の戦果は現在までの戦績を見る限り皆無であった


 にもかかわらず、ポーラは一番砲塔以外のスロットは全てRo.43水偵と五十八試Re.2000P アストーレserie2水戦、それと五十八試アンサルド・UB・シエルヴァC.45RPという、三式指揮観測機に似たあまり見かけない装備で埋められていた。連撃をする気が初めから皆無で
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