暁 〜小説投稿サイト〜
絶撃の浜風
外伝 Tesoro italiano 〜イタリアの至宝〜 00 プロローグ ぽんこつアル重
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
(2021年8月30日 執筆)














「何よ! またなのっ! もうっ!!」



右太腿の魚雷発射管を破壊され、霞は憤っていた



 対戦相手の一人、ポーラの放った砲弾が、霞の右舷、61p四連装(酸素)魚雷の発射管に直撃し小破していた。実際の所、大したダメージではなかったのだが・・・・

 霞がイラついていたのには訳があった。今月は、何の因果か三度続けてポーラの所属する艦隊と対戦し、しかもこれまた三度続けて右舷の魚雷発射管のみを破壊されていた


 某鎮守府に於いて《ぽんこつアル重》と揶揄されるポーラに三度も立て続けに被弾させられていたのである



「いやいや、いくら何でもポーラさんの攻撃を三回も喰らうとか、有り得なくない?・・・・・ぷっ」


堪え切れずに思わず吹き出す陽炎


「・・・しかも、三回とも同じ魚雷発射管とか・・・・・それ、お祓いした方が、いいかも・・・・」


真顔で何かに憑かれていると言わんばかりの霰・・・・無論本気ではない

同僚の陽炎や霰にまでからかわれ、霞のプライドはズタズタだった




「まぐれ当たりにしたって、あり得ないったら!」



いつものように、厳しい口調で嘯く霞であったが、そんな態度とは裏腹に・・・・・・



彼女は・・・霞は密かに確信していた



《迂闊だった・・・・これは偶然なんかじゃない・・・・・あの《ぽんこつアル重》・・・何者なの?》









「・・・・・・・・・・・さて、どうしたものでしょうか?」




 そんな霞の様子を見て、第二水雷戦隊旗艦・・・霞の直属の上司である神通は何やら思案していた








 今日の演習は、第二水雷戦隊 vs 第七駆逐隊第二小隊+ポーラという陣容である。重巡に駆逐隊の小隊という謎編成は、某の意向による所謂ねじ込みである。何故そうなったのかというと、それはポーラと艦隊を組みたいという艦娘があまりいないからに他ならなかった







それは、皇紀2738年の秋



 あの、佐世保とティレニア海とを股にかけた大戦、《第三次深海棲艦戦争》から、既に二年が経過していた


この年は、とある三人の艦娘たちにとって、その運命を左右する四つの出来事があった






 一つは、今年12歳になる不知火が、この夏に彼女の人生を左右する大きな転機を迎えたばかりだった。無論まだ覚醒はしていない




 そして二つ目は、この年の秋の終わり、11月25日に《浜風》がこの世に生を受ける運命にあった






そして三つ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ