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ウルトラマンカイナ
特別編 ウルトラカイナファイト part3
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「おい、いつになったら進めるようになるんだよ! もう怪獣達がすぐそこまで来てんだぞ!? 俺らを見殺しにする気か!?」
「ウルトラマンカイナもBURKもやられちまってるって話じゃねぇか! 俺達、一体どうなるんだよ! アメリカや中国のBURKは何やってんだ!」
「もういい、俺は家に帰る! あいつらが勝てないってんなら、どこに逃げても同じだ!」

 ――遡ること、約数分前。隣県に繋がる東京の道路では、避難民達の車両が大渋滞を引き起こしていた。
 テンペラー軍団によって破壊された都市から退避するべく、大勢の都民達が我先にと逃げ出そうとしているのである。この一帯は人々の怒号と、クラクションの音ばかりが響き続けていた。

「せ、先生ぇ……」
「怖い……怖いよぉ……!」
「大丈夫大丈夫、何も心配いらないさ。きっとすぐにウルトラマンカイナが、怪獣達なんてやっつけてくれるよ」

 大人達の言動に狂気を与えている、焦燥と恐怖。その負の感情は、子供達にも伝播しているのだろう。渋滞に巻き込まれているスクールバスの小学生達も、身を寄せ合い震え上がっていた。
 そんな子供達に優しげな笑みを向け、穏やかでありつつも力強い言葉で励ましている若手の教師――暁嵐真(あかつきらんま)は。この状況でありながら、落ち着いた様子で後方を見遣っている。

「先生……ダメだよ、カイナでも勝てないんだよ? ……負けちゃってるんだよ?」
「ねぇ先生、誰かカイナを助けてあげられないの? BURKがダメになったら、カイナは独りになっちゃうの?」

 遥か向こうから響いて来る激戦の轟音が、カイナの劣勢を雄弁に物語っていた。子供達も状況を察しているのか、嵐真の励ましを受けてもその表情は暗いままとなっている。

「……」

 自分達の命すら危ういのに、それでもカイナの身を案じている子供達の言葉を受け、嵐真は逡巡し――懐に手を伸ばした。
 その手に掴んだ、真紅の眼鏡のようなものに視線を落として。嵐真は「5年前の戦い」を振り返る。

(俺の元に「これ」が再び現れたということは……やはり、そういうことだったんだな)

 ウルトラマンカイナが恐竜戦車を倒した日から、1年が過ぎた頃。再び地球に怪獣や異星人の危機が訪れた時、第2の新世代ウルトラマンが颯爽と現れたのだ。
 かつてそのウルトラマンと一体化し、共に地球を救ったカイナの「後輩」こそが、この暁嵐真なのである。

 その戦いの日々において、相棒同然だった変身アイテムは使命を終えた瞬間に、消滅したはずだった。それが今蘇り、こうして手元に現れている。
 しかも、テンペラー軍団という全ての「元凶」を前にして。

(そして、さっきのサイン……間違いない。弘原海隊長が、「イカロスの太陽」を使ったんだ。俺達に助けを求めるた
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