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レーヴァティン
第二百四十一話 カレリアからその四

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「認めない理由はないだろ」
「確かに」
「帝国の中にも信者は多いです」
「私はオーディンを信仰しています」
「私はヘイムダッルを」
 信仰している者達も言ってきた。
「そうしています」
「それを禁じられますと」
「やはり困ります」
「それは止めて欲しいものです」
「政としては絶対に」
「だから認めない理由はないからな」 
 久志はまたこう言った、今度は笑ってそうした。
「だからな」
「それで、ですか」
「バイキング達の信仰も認めますか」
「そうされますか」
「だから安心してくれよ」
 絶対にというのだ。
「お前等もな、ただバイキングはまだ生贄を捧げる奴がいるらしいが」
「噂ではそうですね」
「そうした話もありますね」
「広くではない様ですが」
「そうしたことをしている者もいるとか」
「連合王国とか南の王国でもあったけれどな」
 ケルトの信仰の中で、である。こうした地域ではガリア即ちケルトの神々が広く信仰されているのだ。ただし連合王国領はキリスト教はプロテスタントが多く他の地域ではカトリックが圧倒的多数となっている。
「しかしだろ」
「生贄は禁じました」
「それは殺人になると」
「そうして禁じました」
「生贄は生きものでよくてな」 
 人間をそうする代わりにである。
「それでな」
「生贄とした生きものは食する」
「牛や豚でも」
「そうする様に定めましたね」
「帝国の法で」
「命は粗末にするな」
 絶対にという言葉だった。
「そうだろ」
「人も獣もそこは同じですね」
「命があるということについては」
「左様ですね」
「だからな」 
 それ故にというのだ。
「そうしたんだよ、獣や家畜を捧げるならよくてな」
「後は食して粗末にしたい」
「その命を無駄にしない」
「神々に捧げて人の糧とする」
「そうすればいいですね」
「ああ、まして生贄にした奴を食うとかな」
 これはカルトであることだ。
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