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おっちょこちょいのかよちゃん
195 飛ばされた場所で
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いっぱいだった。
「山田かよ子、あの襲撃はお主の失態ではない。誰でもレーニンが出てくるのは予想だにせぬことであったのだから気を落とすな」
 石松が慰めた。
「そうだよ、かよちゃん、こんな事で落ち込んじゃだめだよ!」
「そうだブー、オイラ達は意地でも藤木を取り返すブー!」
「だからここでメソメソすんなよ!」
 まる子が、ブー太郎が、大野にかよ子が励まされる。
「まるちゃん、ブー太郎、大野君・・・。うん、そうだよね!」
 かよ子はくじけまいと思うのであった。それを傍から見ていたのり子は考える。
(ももこちゃん達、一人だけの友達じゃなく、皆であの子を励ましてる・・・。そっか・・・)
 のり子も言葉を掛けようと進む。
「かよちゃんだっけ・・・?私も精一杯手伝うよ!」
「のりちゃん・・・。ありがとう!」
 そして藤木救出班は谷で一夜を過ごす事になる。

 戦争を正義とする世界の本部。レーニンはある物を用意させた。2台の自動車だった。
「自動運転が可能な自動車だ。これで和光晴生を迎える」
 自動運転する自動車のうち1台は本部を出た。
「はて、貴様が中心となって動くか?」
「ああ、いいぜ」
「レーニン様、杯を所有者ごと奪うという事ですか?」
「その通りだ。重信房子、貴様にも付いて来て貰おう」
「畏まりました、レーニン様」
「本部の警備は他の者に任すがよい」
「はい」
 レーニンと重信房子はもう1台の自動車に乗車し、出発する。

 かよ子達藤木救出班は谷で夜を過ごす。
「それにしてもここは冷えるのお〜」
 友蔵は寒がっていた。通信機を出す。
「ちょっと、フローレンスさんとやら、ストーブを用意してくれんかの?」
『ストーブ!?仕方ありませんわね』
 羽根の上にストーブが現れた。この日は麻婆豆腐に卵スープと中華風の献立だった。
「はあ〜、明日こそハンバーグ出ないかな〜」
 まる子は願う。その時、フローレンスの声が聞こえる。
『皆様、食後にこちらをどうぞ』
 皆の前にプリンが出てきた。
「うわあ〜、プリンだあ〜。やったあ〜」
「まる子や、良かったのお〜」
「ほう、『ぷりん』か。西洋の菓子だな」
 次郎長は味見をした。美味と思った。
「アタシも今度この『ぷりん』を作ってみたいね。この世界に来て食べた事はあるけど、貰いものだからね」
「そうだったな、いつの日か西洋出身の者から教わってみてはいいと思いますな」
 綱五郎は案じた。その一方、かよ子はプリンの甘さを噛みしめながら攻撃に屈したくないと思う。
(レーニン・・・)
 かよ子はふとある事が思い出される。
(杉山君・・・、今どうしてるの?もしかして、本当に、あいつらの方に寝返ったんじゃ・・・!?)
 かよ子は杉山の近況もいち早く知りたかった。
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