五十七 死者の生還
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がら綱手は眉根を寄せた。
飛段に殺されたアスマの遺体が、最初から誰かの影分身だったという考えに思い当り、そんなはずはないか、と彼女は己の考えを即座に否定する。
実際は真実に辿り着いているのだと気づかずに。
「しかし。仮に影分身だとすれば…」
シズネとて、綱手の弟子なのだ。
医療忍者としてかなりの腕前を持つ彼女の眼を誤魔化すなど、とても信じられない。
たとえ、どれほど変化の術が上手くても身体の構造といった医療技術の知識が無ければ、医療班を長期に渡って遺体に見せかけるなど不可能だ。
忽然と消失したアスマの遺体。
その件で頭を悩ませるシズネに、五代目火影は冗談を口にする。
「我々の医療忍術より遥かに上の医療技術の持ち主と言えるな」
その冗談は、実のところ、的を射ていた。
五代目火影とシズネが話題にしていた遺体。
いや、遺体などではなく生きているその身体を、偶然、彼女は見つけた。
木ノ葉の里を一度抜け、今再び里に舞い戻り、現在【根】の忍びとなっているくノ一。
角都と飛段を捕らえて『暁』の情報を聞き出せ、と木ノ葉の暗部養成部門【根】の創設者であり、『忍の闇』の代名詞的存在である男……志村ダンゾウに従い、角都と飛段の居所を探っていた彼女は、折しも発見した。
三つ編みにした桃色の長い髪が、大木の幹にもたれかかる男の顔にかかる。
葬儀にも秘かに参加していた彼女は…春野サクラは相手の息を確認し、益々困惑した。
「アスマ…先生?」
サスケを追って里を抜ける前に、何度か言葉を交わしたことのある十班の先生。
猿飛アスマ。
『暁』との交戦にて命を落としたはずの男が生きている事実に。
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