暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【下】
五十七 死者の生還
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である志村ダンゾウが自分達に秘密を抱いている。
再不斬の言付けに、まんまと猜疑心を煽られながら。
























【根】の本拠地に潜入し、【根】の忍び達に強い印象を残して消えた水分身の桃地再不斬。
そして生き埋めにしたはずの飛段と、謎の人物がシカマルの前へ立ちはだかり。
角都の心臓を抉り出した謎の人物と本体である再不斬を、カカシとヤマトが捕獲しようと動く。

これらは全て、ほぼ同時刻に行われてきた。
折しも、シズネがもたらしてきた報告に五代目火影が頭を抱えていたのもまた、ほぼ同時刻であった。





「……遺体が消えた?」

ただでさえ、『暁』の飛段&角都の侵攻に頭を悩ませ、先走ったシカマル達十班の援護にカカシと再不斬を向かわせたところだ。
火影室で苛立ちを募らせていた綱手は、シズネの報告に眉を顰める。
低い声音に「あひいっ」と悲鳴をあげたシズネだが、綱手に聞き返され、顔を引き締めた。

「どういうことだ?回収はしたのだろう?」
「もちろんです」

忍びの死体は情報の宝物庫だ。
遺体を敵に調べられて、特異な体質であることを看破されたり、弱点などを把握されることを避けねばならない。故に、仲間の遺体ももちろん回収する。
それは弔うという意味合いもあるが、特に忍びの遺体は重要である為に、葬儀こそ執り行うものの、墓は見せかけのもの。
実際の遺体は厳重に保管している。

故に、飛段との戦闘で殉職した猿飛アスマの死体ももちろん回収し、厳重に保管している。
いや、していたはずだった。
だが。


「アスマの遺体が消えたとはどういう了見だ?よもや盗まれたなどと…」
「そんなはずは…っ!忽然と消えたんです」

狼狽するシズネの前で、綱手は顎に指を添わせた。
思案顔を浮かべるその唇から自然と、思いついた術が転がり出る。

「……影分身…?」
「まさか!」

綱手の発言に間髪を容れず、シズネは否定を返した。

「医療班の眼から見てもあれはどう見たって、影分身ではなく人体でした!」

飛段との戦闘で亡くなったアスマの遺体は里に持ち帰ってすぐに、シズネ率いる医療班が隅々まで検死している。

「だが、勝手に消えたとなると筋は通る」
「しかし…」

納得できかねる、とシズネは顔を顰める。

アスマの遺体は長期に渡り、遺体安置場にあった。どこかの忍びの影分身がアスマに変化して、遺体に成りすますなどと、どんな芸当ができるはずもない。
それがアスマ本人の遺体ではなく、誰かの影分身であるのならば、アスマの死体はいつから無かったのか。

(…或いは、最初からか?)

困惑するシズネの前で、顎に指を添わせな
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