五十七 死者の生還
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って墜落してきた。
致命傷には至らないものの、掠る程度には負傷したらしい。
バシャっと水音を立てて墜ちてきた【根】の数人がすぐさま戦闘態勢を取ろうとした瞬間。
「ぐわッ」
「がっ」
今し方投擲したクナイの本命。
天井に張り巡らされていた電線が断ち切られ、足元の水に落下。
バチバチッと火花が弾ける。
感電して動けなくなった【根】の忍び達を見遣って、水月と同じく跳躍していたことで無事だった再不斬が、ふん、と鼻を鳴らした。
「これも奴とつき合って身についた知恵だ。ま、さしずめ俺は奴の牙だがな」
水月と再不斬の隙を窺って、天井裏に潜んでいた【根】の忍びを、突然間抜けな行動を取ることで隙を見せた水月を囮にして誘き寄せる。
同時に忍び達を落とすと共に、天井に張り巡らされている電線を断ち切る。
前以て足元を水浸しにしておいたのも、墜落してきた忍び達を感電させる為だ。
水は電気をよく通す。
身を潜めている連中を、囮を用いて誘い出し、一網打尽にした再不斬の言葉に従い、感電から逃れた水月は、暫くの後、ハッ、と我に返った。
「っていうか、ボクを囮にしたのかよ!?」
「喚くな。だから前以て忠告しただろーが」
感電しなくてよかったな、とぬけぬけと嗤う再不斬に、ギャンギャン噛みついていた水月は、不意に何かを投げて寄越され、眼を白黒させた。
「それじゃ、てめえは邪魔だからソレ持って、とっとと雲隠れしやがれ」
「なにさ、コレ」
「時が来れば知らせる、だとさ」
主語をあえて言わない再不斬から、この巻物を用意したのがナルトであり、知らせるという伝言も彼なのだろう、と水月は察した。
直後、再不斬に視線で促され、背後をチラッと見遣る。
先ほど感電させた忍び達…仲間を見て憤ったのだろう。
より一層濃厚な殺意を感じる。
【根】の追っ手からの殺気を背に受けつつも、平然としている再不斬を水月は若干不服そうに見上げた。
だが満月を無事に奪還させることが目的である以上、戦闘になれば水筒の中身が零れてしまう。
それだけは避けねばならない。
再不斬の目配せに頷いた水月は、巻物と、そして兄が入っている水筒を抱えると、その場を立ち去った。
「さて、」
水月の気配が遠ざかったのを見計らって、再不斬は地を駆ける足を止めた。
くるっと身体を反転させる。
待ち構える姿勢の霧隠れの鬼人を見て取って、【根】の忍び達は各々、身構えた。
「逃げられないと悟って観念したか…ッ」
「いやぁ?」
吼えた追っ手に、再不斬は面倒くさそうに欠伸を噛み殺した。
「鬼ごっこが飽きただけさ。追われるより追うほうが性に合ってるんでね」
鬼と呼
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