作戦会議-Final-
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それは、僕がまだ幼いときのことだ。
軍の教育機関で、剣を振って修行する。
「今日も修行か、ルード。いい心がけだ」
「あっ、大佐。今日も稽古つけてくれるんですか?」
僕は、定期的に大佐と模擬戦をしていた。
「先に攻撃していいぞ」
「そうですか、では遠慮なく」
木刀を振り、大佐に打ち込むが、ことごとくを拳で弾かれる。
「くっ..!!」
そして、大佐は、強く右腕で拳を突き出した。
それを躱して、右腕を踏んで飛び上がる。
すかさず、左腕の拳で僕を狙い、打ち込んでくる。
身を翻し、左腕を蹴って、両足を開いて地面に着地する。
そして、剣を思い切り振って、胴を斬ろうとした。
だが、大佐が右腕の拳を繰り出す方が早かった。
拳は、風を切って僕の胴に直撃した。
「ぐっ...!」
その場に倒れ込む。
「今日はここまでだ。次はもっと強くなれ」
そう言って大佐は去る。
僕は、模擬戦闘で一度も大佐に勝ったことはなかった。
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帝都の隅で、ゴミ箱を漁りながら、昔のことを思い出す。
バルタザール大佐。いつか、僕が倒すべき相手だ。
ゴミ箱から、捨てられたパンを取り出し、食す。
人類の敵となった僕が、公に出るのはまずいからな。
だが、栄養を取らないわけにもいかない。
だからこうして、適当にゴミ箱を漁って食事を得ている。
別に味なんてどうでもいい。
そうして、ゴミ箱を漁って歩いていると、誰かにぶつかった。
それは、酔っぱらった男だった。どうやら前が見えていないらしい。
そのまま、その男は僕の横を素通りしようとする。
「痛いな。何するんだよ」
そう言って、男を呼び止める。
「謝罪もできないのか?正しくないな」
「うるせぇ!!こっちはな、どっかのガキのせいで、軍をクビになったんだよっ!!お前にはわからねえよな!!あの、光を出したガキさえいなけりゃ!!」
「五月蠅いな、喚き散らすな」
気分を害したので、光を込める。
「塵も残さず消え失せろ」
「うわあああああ!!!!!」
光と共に、男は消滅した。
まったく、これだから神に背く愚か者は駄目なんだ。
神の代行者である僕に、まるで礼儀がなってない。
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