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ペルソナ3 ネクラでオタクな僕の部屋に記憶を無くした金髪美少女戦闘ロボがやってきた結果
第5話 (5/5)
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うちは小さな下請け会社だ。給料と労働時間は徐々に改善したいと思っているが、今すぐにはどうしようもない。それが辞める理由なら、やめて状況が改善するというのなら、やめてくれてかまわない。
しかし君の話を聞いたところでは、むしろ仕事にやりがいを感じられない、ということが一番の理由のように聞こえた。
そこで提案なんだが、今、うちの会社は他社の下請けではない自前のゲームの製作を計画している。そのプロジェクトの企画チームに入ってみる気は無いか?
君の上司の話では、技術的には申し分ないが、自分の意見をはっきり言えないところが問題だ、とのことだった。しかし今日、話を聞いたところでは、申し分ないほど自分の考えをきちんと言えているように思える。もし君にやる気があるのなら、もう少し頑張ってみないか。」
それは予想もしていなかった提案で、結果的に僕はもう少し会社に残ることにした。
最初に参加した企画会議では、初期案を見せられて意見を求められた。どうせやめるつもりだったのだから何も遠慮はいらないとばかりに、言いたい放題言わせてもらった。みんなを怒らせるかもとも思ったのだが、何故か「面白いやつだ」と評価されることになった。その後は、よく話をする同僚も少し増えてきて、僕の会社生活は徐々に変化してきた。
仕事自体は楽にはなっていない。むしろ厳しくなったかもしれない。不満は相変わらずある。しかし以前より「自分でゲーム作成をしている」という実感が出てきて、あまり辛くはなかった。
「人が喜ぶのは良い仕事ですよね。」というアイナの言葉が常に胸の中で繰り返されていた。「お客さんのうれしそうな顔を見ると、まだまだ頑張ろうと思うんじゃよ。」という古本屋のおじいさんの言葉も思い出した。病院暮らしのあのピンクのワニの男性のことも頭に浮かんだ。
僕はまだ頑張れる。そして自分の作ったゲームで、みんなを楽しませたかった。

その日もいつも通り、夜遅くの帰宅となった。
あの公園の前を通りかかると、立ち入り禁止の表示が全て取り除かれて、中の遊具やベンチや花壇の修復工事が完了したことに気づいた。
アイナが去った日、公園に行ってみると、遊具はひどく破損しており、ベンチの板も真っ黒に焦げていた。花壇もぐちゃぐちゃに荒らされていた。それは前夜の戦いが夢ではない証拠のように思えた。
僕がしばらく呆然とそれを見ていると、どこかのおじいさんが近づいてきて話しかけてきた。
悪ガキが夜中に単車を乗り回して、公園を荒らしていったということだ。公共の場所を傷つけたと、おじいさんはひどく憤慨していた。
どうしてそういう話になったのかがさっぱり分からずに不思議に思っていると、その後すぐに公園は立ち入り禁止となり、間もなく修復工事が始まった。
何故だかわからないが、桐条という企業グループがお金を出して、修復工事の
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