ギレイス攻城戦B
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別に、人類を救いたいだとか、そんな大層な思いは持ち合わせていない。
ただ、人並みには、みんなを守りたいと思っている。
己を、奮い立たせろ...!!!
こんな、力を持って生まれただけの奴に負けるな...!!
白蛇は、蛇行を繰り返して肉を噛みちぎらんと進む。
目の前にいるのは俺とは比較にならない強敵。
万に一つの勝ち筋を、この手で掴み取る...!!
想像しろ。俺が、あいつに勝つ瞬間を。
大佐のように力強く。
勇者のように無駄なく。
魔法の真似事だって構わない。
蛇を一刀のもとに断ち切るイメージを、脳内で加速させる。
「『秘剣抜刀、零阿修羅』 !!」
剣を振り抜き、無数の蛇を両断する。
全身の筋肉が痛む。
ここまでの大技、さすがに負担が大きい..!!
それでも、今、勝たなきゃいけないんだ..!!
限界を、超えろ...!!!!!!
蛇はすぐに再生し、再び襲い掛かる。
「『一刀踏破、改狂薙』 !!」
その蛇を、剣で薙ぎ払うように切り裂いた。
このまま接近しろ。
剣の間合いまで持っていけ..!!
蛇は、剣に斬られながらも、何度も再生する。
再生するよりも早く、全て切り裂け!!
「『因果切断、紅月舞』!!」
空へ舞うように切り裂く。
残りあと数メートル。
だが、敵の攻撃は一層激しくなる。
蛇は数を倍以上に増やし、速度も段違いだ。
押されるな。怯むな。折れるな。諦めるな。
英雄は負けない。目の前の敵を、打倒しろ!!
我が身が裂けても。
全て、切り裂け!!
「『風雷一閃、刹那残影』 !!」
数多の蛇を切り裂き、更に前へ進む。
至近距離。
敵はすぐ目の前だ。
そのとき、ゴルゴーンの眼が赤く光った。
何か発射する気か。
躱す余裕はもうない。
この一刀に、己の全てを賭けろ!
一撃で敵を切り裂け!
これまでの人生の価値を、証明しろ!!
そして、眼から赤い光線が放たれた。
その密度は絶級。喰らえば即死。
「『終極奥義、暁闇』 !!」
振り抜かれるは究極の必殺剣。
それは、赤い光線よりも速く。
敵を一刀のもとに両断した。
力が入らなくなり、剣を手から落とす。
やった...のか。
扉が開き、大佐たちが入って来た。
そして、敵の屍の傍に立ち、一言呟く。
「俺の...勝ちだ」
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